司法試験・予備試験・ロー入試に向けた会社法

司法試験上位合格者が会社法についてわかりやすく解説します

法学部・ロースクール時代に買ってよかったもの7選(教科書等以外)

 

 

こんにちは、コポローです。

もうすぐ4月ということで、新生活を始める方も多いかと思います。

そこで今回は、私が法学部・ロースクール時代に買ってよかったものを7つ厳選して紹介します!!

何か少しでも参考になればと思います。

   

(1)スタンディングデスク

法律学の勉強をしていると、どうしても長時間座りがちですが、座りすぎで寿命が縮むというエビデンスがたくさんあります。

わたしもそれを知って、スタンディングデスクを購入し、ときどき立って勉強するようになりました。

今では、立って勉強するほうが集中できるので、基本は立って勉強や仕事をし、疲れたら座るようにしています。

 

私が使用している物です(簡単に昇降できます)↓

 

 アマゾンでは他にもいろいろあるので、比較検討してみてください。

 

(2)オカムラの椅子

昔は安物の椅子を使っていましたが、ロースクール時代に腰が痛くなってきたので、思い切って高品質なオカムラの椅子を買いました。

椅子は姿勢に影響し、疲れやすさにも大きく関係するので、とても重要です。

最近、在宅時間が非常に長くなり、座る時間も多くなりましたが、椅子のおかげで快適です。

少し高くても、投資だと思ってよいものを購入することをお勧めします!

椅子などの家具は長期間使うので、十分ペイしますよ!

 

私が使っているシリーズです↓

(当時としては超思い切った投資でしたが買ってよかったです)

 

 

 

(3)ルンバ

ロースクール時代は忙しく、掃除する時間的余裕がありませんでした。

しかし、喘息持ちなので、掃除はどうしてもかかせません。そこで、ここでも思い切って、お掃除ロボットのルンバを購入してみました。

その結果、掃除の時間が大きく削減され、時間の余裕ができました。

ルンバは、今までで買ったなかで最もコスパの良い買い物であったといっても過言ではありません。

 

私が使っているものです↓

 

 

(4)ボイスレコーダー

法学部やロースクールの授業では、教授の話すスピードが速く、ノートを授業時間内にとりきれません。また、集中力が途切れて聞き逃してしまうことも多くありました。

そこで、ボイスレコーダーで授業を録音して、復習に役立てていました(京大法学部・京大ローではボイスレコーダー所持率が高かったです)。

私は、ボイスレコーダーを使うようになってから、成績が急激に伸びました。

通学中や散歩中も聴けるという点も、便利です

 

私はオリンパス製を使っていました↓

 

 機種によっては、音楽のデータも取り込んで再生できます。

 

 

(5)常備おやつ(チョコレート効果&ミックスナッツ)

勉強をしていると、おなかがすきますよね。

私は健康を非常に重視しているので、健康的なおやつを常備していました。

こちらの記事でも紹介しているとおり、おすすめは高カカオチョコレートとミックスナッツです。

kaishahou.hatenablog.jp

 

私は下記のものを常備しています(笑)

 

チョコレート効果は、72%がほろ苦でおいしいです。慣れると86%の強苦もおいしく感じます。95%は、非常に苦いので、初心者にはおすすめしません。

 

(6)マルチビタミン&ミネラルのサプリ

健康つながりで、おすすめなのが、マルチビタミン&ミネラルのサプリです。

これをとるようになってから、風邪などで体調を崩さないようになりました。 

体調を崩すと、しんどいですし、学習にも大ブレーキなので、体調管理はしっかりしましょう!

 

いろいろなブランドがありますが、私はネイチャーメイドを今も愛用しています。 

 

 

 

(7)ステッパー

法学部・ロースクール時代は、どうしても運動不足気味になってしまいました。

そこで、ステッパーを買って、勉強しながら運動できるようにしてみました。

意外と、なかなか良い運動になりますよ。

また、これを使うと血行が良くなり、学習効果も高まるように感じます。

 

今もこれ(↓)を踏みながら本記事を書いています(笑) 

 

 

 

以上、私が買ってよかったもの7選でした。

少しでも何かの参考になれば幸いです。

それではまた! 

 

   

判例解説・最判令和3年1月26日(社債に利息制限法の適用はあるか)

こんにちは、コポローです。

「最近の会社法関係の重要判例について、学習者向けに要点を分かりやすく解説する」記事を連載しています。

最近の予備試験や司法試験では、裁判例を題材(元ネタ)の一部とした出題が散見されます。

そこで、重要判例解説や商事法務掲載の解説などを参考に、各種試験との関係で重要な裁判例をピックアップし、要点を分かりやすく解説していきたいと思います。

「最近の判例」の基準としては、会社法判例百選第3版に掲載されていない判例を念頭においています。

   

 

第11回となる今回の判例は、最判令和3年1月26日社債に対する利息制限法の適用を原則として否定した最高裁判例)です。

 

 

(事案の概要)


①Y社は、平成24年、Z社の発行する社債の募集に応じてその割当てを受け(以下、Y社が割当てを受けた社債を「本件社債」という)、本件社債の募集事項に従い2000万円を払い込んだ。

 

②Y社は、その後平成27年までの間に、Z社から利息制限法1条所定の制限利息を超える利率による利息の支払と社債の償還を受けた。

 

③Z社は平成24年3月から平成27年11月の間に本件社債を含め、合計203回にわたり社債を発行した。社債権者は常に1名であり、そのほとんどが利息制限法1条所定の制限利息を超える利率を定めていた。

 

④Z社は、平成28年4月に破産手続開始の決定を受け、弁護士Xが破産管財人に就任した。Xは、Y社に対し、利息制限法1条所定の制限利息を超える利息として支払った金額を元本に充当すると過払金が発生しているとして、不当利得返還請求権に基づき、過払金の返還等を求めた。

 

(判旨)

「利息制限法1条は,『金銭を目的とする消費貸借』における利息の制限について規定しているところ,社債は,会社法の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であり(同法2条23号),社債権者が社債の発行会社に一定の額の金銭を払い込むと償還日に当該会社から一定の額の金銭の償還を受けることができ,利息について定めることもできるなどの点においては,一般の金銭消費貸借における貸金債権と類似する。

  しかし,社債は,会社が募集事項を定め,会社法679条所定の場合を除き,原則として引受けの申込みをしようとする者に対してこれを通知し(同法677条1項),申込みをした者の中から割当てを受ける者等を定めることにより成立するものである(同法677条2項,3項,678条,680条1号)。このように社債の成立までの手続は法定されている上,会社が定める募集事項の『払込金額』と『募集社債の金額』とが一致する必要はなく,償還されるべき社債の金額が払込金額を下回る定めをすることも許されると解される(同法676条2号,9号参照)などの点において,社債と一般の金銭消費貸借における貸金債権との間には相違がある。また,社債は,同法のみならず,金融商品取引法2条1項に規定する有価証券として同法の規制に服することにより,その公正な発行等を図るための措置が講じられている。

  ところで,利息は本来当事者間の契約によって自由に定められるべきものであるが,利息制限法は,主として経済的弱者である債務者の窮迫に乗じて不当な高利の貸付けが行われることを防止する趣旨から,利息の契約を制限したものと解される社債については,発行会社が,事業資金を調達するため,必要とする資金の規模やその信用力等を勘案し,自らの経営判断として,募集事項を定め,引受けの申込みをしようとする者を募集することが想定されているのであるから,上記のような同法の趣旨が直ちに当てはまるものではない。今日,様々な商品設計の下に多種多様な社債が発行され,会社の資金調達に重要な役割を果たしていることに鑑みると,このような社債の利息を同法1条によって制限することは,かえって会社法が会社の円滑な資金調達手段として社債制度を設けた趣旨に反することとなる

  もっとも,債権者が会社に金銭を貸し付けるに際し,社債の発行に仮託して,不当に高利を得る目的で当該会社に働きかけて社債を発行させるなど,社債の発行の目的,募集事項の内容,その決定の経緯等に照らし,当該社債の発行が利息制限法の規制を潜脱することを企図して行われたものと認められるなどの特段の事情がある場合には,このような社債制度の利用の仕方は会社法が予定しているものではないというべきであり,むしろ,上記で述べたとおりの利息制限法の趣旨が妥当する

  そうすると,上記特段の事情がある場合を除き,社債には利息制限法1条の規定は適用されないと解するのが相当である

  前記事実関係によれば,本件において上記特段の事情の存在はうかがわれないので,本件社債に利息制限法1条の規定は適用されないというべきである」

 

(解説)

これまで、社債に利息制限法の適用があるかについては学説が分かれていた(適用肯定説として、鴻常夫『社債法』144頁注2、上柳克郎ほか編集代表『新版注釈会社法(10)』59頁〔上田宏〕、同91頁〔蓮井良憲〕、江頭憲治郎編『会社法コンメンタール(16)――社債』22頁〔今井克典〕などがあり、適用否定説として、江頭編・前掲337~338頁〔仮屋広郷〕、橋本円『社債法』(商事法務、2015)126頁などがあった)。

 

そうした中、本判決は、原則として、社債に利息制限法の適用はないことを明らかにした。

本判決は、社債の性質について明確に示しておらず、実質的観点(利息制限法の趣旨である経済的弱者保護が妥当しないこと、社債に利息制限法を適用すると円滑な資金調達を阻害しうること)から、上記結論を導いている。

 

そして、例外的に、利息制限法の規制を潜脱することを企図して行われたものと認められるなどの特段の事情がある場合には、社債にも利息制限法の適用を肯定する。

 

学説においても本判決の立場は支持されよう(下記参考文献参照)。

 

(参考文献)

本判決の評釈として、潘阿憲・法教 488号140頁。

同一論点に関する本件別訴事件の評釈として、森まどか・ジュリ1544号105頁、松中学・リマークス61号101頁。

 

 

今回の記事は以上です。

少しでもみなさんの参考になれば幸いです!!

それではまた!!!

  

 

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連載の過去回で解説した判例はこちらです↓

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令和元年会社法改正に関する知識をアップデートしたい方にはこちらがおすすめです↓

 


 

まとめ記事・最近の重要な会社法判例の解説

 

こんにちは、コポローです。

本ブログでは「最近の会社法関係の重要判例について、学習者向けに要点を分かりやすく解説する」記事を連載しています。

最近の予備試験や司法試験では、裁判例を題材の一部とした出題が散見されるからです。

「最近の判例」の基準としては、会社法判例百選第3版に掲載されていない判例を念頭においています。

 

記事の量が増えてきたことから、一覧性を高めるため、判例解説のまとめ記事を作成しましたので、参考にしてください。

 

 

 

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解説は随時追加していますので、お楽しみに!

 

更新はツイッターでもお知らせしていますので、よろしければお気軽にフォローしてください。

 

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それではまた!

 

そのほかのまとめ記事はこちらです。

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会社法改正に関するおすすめの書籍はこちらです↓ 
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ロースクール生・法学部生が夏休みにやるべきこと5選

 

こんにちは、コポローです。

期末試験お疲れ様です。期末試験が終われば夏休みですね!

 

大学において、夏休みは、まとまった非常に貴重な時間です。

夏休みを有効活用できたかどうかは、今後の学業成績や各種試験の合否に大きく影響します

そこで、今回は、ロースクール生・法学部生が夏休みにすべきことについて、私の経験も踏まえて解説したいと思います。

 

目次

 

①生活リズムを整える(すでに整っている人は乱さない)

まず、大前提として重要なのは、規則正しい生活を送ることです。

夏休みは生活リズムが乱れがちなので、注意しましょう!

寝不足などで生活リズムが乱れると、集中力が低下して、勉強の効果が激減します。

さらには、夏風邪をひくなど体調まで悪化すれば、勉強自体が困難になります。

なので、まずは、生活リズムを整え、規則正しい健康的な生活を心がけてましょう!! 

 

具体的には、以下のようなことを心がけましょう!

・決まった時間に寝る(夜更かししない)

・決まった時間に起きる(個人差はありますが、一般に睡眠時間は7~8時間が最適)

・暴飲暴食しない(腹八分目が健康にも脳にも良い)。特に夏はアイスやジュース、ビール等に注意。

・逆に、夏バテ等で食欲がないからといって、極端な少食にならないように注意。栄養のあるものをちゃんと食べましょう。

・ウォーキングで十分なので、なるべく運動をする(運動には脳にも良いというエビデンスが多数あります)

 

当たり前のことですが、ちゃんとできている人は意外に多くないです。

これらをちゃんとやるだけで、周りに差をつけることができます。 

 

 特に、今年は感染力の強いコロナのデルタ株が流行しているので、免疫力をしっかり整えておきましょう。

免疫力を高めるには、①睡眠をしっかりとる、②腸内環境を整える(発酵食品と食物繊維をとり、ジャンクフードは控える)ことが重要です。

 

参考記事

kaishahou.hatenablog.jp

 

②前学期の授業の復習

法律学の学習は「積み重ね」になので、序盤でつまづくと、その後の学習もうまくいきません。

ですので、前学期の学習範囲で理解が追いついていない部分は、夏休みを利用して、しっかり復習しましょう。

 

また、時間が足りず前学期の授業で扱えなかった部分(たとえば、刑法総論だと共犯などは時間が足りなくなりがちです)については各自で教科書等で勉強しておきましょう。

 

なお、会社法・商法に関することは、本ブログやツイッター@KaishahoBlog)で質問してもらえれば、できる限りお答えしますよ!!

 

ロースクールの授業の予習/学部生は来学期の勉強範囲の全体像把握

ロースクールでは、日々の予習が大変です。

そこで、夏休みの後半を利用して、予習のストックを「少し」ためておきましょう(あまり先の授業まで予習するのは記憶力の観点から効率的ではありません)。 

もっとも、予習に時間をかけすぎるのは効率が悪いです。

まずは、②の復習をしっかりやって、時間が余った範囲で予習をするとよいでしょう。

 重要度は、復習>>>>>予習です。

 

学部生の方については、予習は必要ではありませんが、時間的に余裕がある方は、来学期の学習範囲を教科書等でざっと一通り勉強しておくと、授業を理解しやすくなるかと思います。

 

なお、ロースクールの未修の方には、司法試験の範囲を早めに一通りカバーできるよう、分かりやすい教科書等を読破していくことをお勧めします。

 

 

 

おすすめの基本書等は下記のサイト(楽天ROOM)でも紹介しています。

コポロー のROOM - 欲しい! に出会える。 (rakuten.co.jp)

 

 

さらに、司法試験の範囲の学習が一通り終わった、ロースクールの3年生・2年生は司法試験の過去問を解かれることもお勧めします!

ついつい後回しにしがちですが、まずは1年分だけでも解いてみましょう。

 

 

④学習環境の見直し(部屋の整理など)

オンライン授業が増え、在宅での勉強時間が長くなった人も多いと思います。

集中して効率的に勉強するためには、勉強の環境がとても重要です。

断捨離、整理整頓、部屋の掃除などををして、自宅の勉強環境を最適化するための時間として、夏休みはとてもおすすめです。

部屋の片づけや掃除は、勉強合間のリフレッシュとしてもおすすめです。

よい運動にもなりますし、その後の勉強のモチベーションも高まるからです。

 

参考記事 

kaishahou.hatenablog.jp

kaishahou.hatenablog.jp

 

 

⑤普段勉強できない部分の勉強

長期休暇は、普段忙しくて手が回らない部分の勉強をする時間としてもおすすめです。

とくに事例演習は普段時間がなくてできない方も多いと思いますので、夏休みを利用して、苦手分野の事例演習を行うことは有意義だと思います。

ほかには、新しい判例(令和2年度重要判例解説など)法改正(令和元年会社法改正など)について勉強するのもよいです。

 

本ブログの参考となる記事を挙げておきます 

 

kaishahou.hatenablog.jp

 

 

kaishahou.hatenablog.jp

 

kaishahou.hatenablog.jp

 

kaishahou.hatenablog.jp

 

 

おわりに

以上、ロースクール生や法学部生が夏休みにすべきことを5つ紹介しました。

最後に、夏休みはリフレッシュにも最適の期間です。

暑さに気をつけつつも、自然の中を散歩する・レジャーに行く、友人と(感染対策をしたうえで)遊ぶなどして、リフレッシュしましょう!!

普段時間がなくて楽しめない読書・漫画・ゲーム・映画・スポーツ観戦なども おすすめです。

 

 私のおすすめの本や映画は下記の記事で紹介していますので、よろしければ参考にしてみてください。

kaishahou.hatenablog.jp

 

 

本記事が少しでもみなさんの参考になれば幸いです。

それではまた!

法学部・ロースクールの試験期間の過ごし方(生活習慣)

 

 

こんにちは、コポローです。

多くの大学・ロースクールで、期末試験シーズンに入ったかと思います。

今回は、私が実践してきたことも含め、試験期間のおすすめの過ごし方 (生活習慣)について解説したいと思います。ぜひ、これらを実践して、試験期間を乗り切ってください。

なお、本記事の執筆にあたっては、何冊かの本を参考にしています(本ブログ末尾に掲載していますので、興味のある方は試験期間後に読んでみてください)。

   

 

1 食事

まずは、試験期間中におすすめの食事を紹介します。

前提として、一日三食バランスの良い食事をしっかり食べて体調をよくしておくべきことは言うまでもありません。風邪などを予防するため(免疫を高めるため)、とくに野菜やキノコ類・ヨーグルト・納豆等の発酵食品をしっかり食べましょう。

どうしても食事バランスが偏りがちの人は、マルチビタミン&ミネラルのサプリメントをとりましょう。

食べると眠くなる、食べる時間がもったいないなどの理由で試験期間中は食事を抜いてしまう人もいるかもしれませんが、栄養不足では集中力が低下し、逆効果です。むしろ、食事時間は、よい気分転換にもなりますよ!

 

(1) 十分なブドウ糖

脳のエネルギー源となるのは糖類の中でもブドウ糖のみです。

そして、脳に貯蓄できるブドウ糖はほんのわずかなので、脳に安定的にエネルギーを供給するには、全身の血液中のブドウ糖濃度を常に一定値以上に保っておく必要があります。

食事の際はしっかり主食をとり、即効で血中ブドウ糖濃度を上げたいときには砂糖の入った飲み物やアメ、チョコレートなどで補いましょう。また、バナナは消化にもよくおすすめです。

ただし、昼食は食べ過ぎると眠くなるので注意です。腹八分目を意識しましょう。なお、野菜から食べると血糖値の急激な上昇による眠気をある程度抑えることができます。

もっとも、眠気を感じたら我慢するのではなく、15分程度の昼寝をしましょう(寝る直前にコーヒーなどカフェインをとるとすっきり目を覚ましやすいです)。昼寝により、その前の勉強の記憶定着とその後の勉強の効率化が図れます。 

 

(2) カフェインの効果的な利用

コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインは、眠気を覚まし、注意力や集中力を高めてくれます。

ただし、とりすぎるとソワソワ落ち着かなくなったり、焦りを感じる原因にもなるので注意が必要です。また、コーヒーには利尿作用もあるため、試験直前に飲み過ぎるのは逆効果です。

 

パソコンや参考書に向かって目の神経ばかり酷使しているときには、嗅覚や味覚をつかうことが気分転換にもなり、コーヒーブレイク後の勉強の効率を上げる効果も期待できます。

なお、空腹時のブラックコーヒーは胃に負担がかかるため、ミルクを入れて胃への負担を軽減しましょう(脳の活動に必要なエネルギーや勉強中のイライラに効果的なカルシウムも一緒に摂取できます)

 

 

↑ 自宅で美味しいコーヒーが飲めます! 

 

(3)魚

魚類に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などのオメガ3脂肪酸は、認知症脳卒中のリスク低下で有名ですが、脳の認知機能を向上させる効果もあります
一人暮らしなどで魚の調理が難しいという人には、サバ缶、スモークサーモン、ツナ缶、魚肉ソーセージなどの加工品もおすすめです。

 

アーモンドフィッシュは、健康食品であるアーモンドも一緒に取ることができておすすめです!

 

 

(4)ブルーベリー

ブルーベリー摂取は学習能力や筋肉機能を高めるという実験結果があります。

ブルーベリーに含まれるポリフェノール目の健康にも良いとされているので、試験勉強やレポートなど、パソコンのモニターとにらめっこで目と脳を酷使した日には一石二鳥といえます。

スーパーやコンビニなどで冷凍ブルーベリーが売っていますが、手軽に摂取するには、ブルーベリー入りの飲料やヨーグルトがおすすめです。

 

 

2 睡眠

法学部やロースクールの期末試験で好成績をとるためには、単なる暗記だけではだめで、当該事例問題に即した分析・論述が必要となります。しかし、一夜漬けなどで寝不足の状態では、十分な分析・検討ができません。

そして、暗記(記憶)の観点からも、睡眠をしっかりとった方が、記憶が整理・定着してよいことが各種実験で判明しています。

とはいえ、私も、試験前は不安で夜遅くまで勉強しがちでした(とくに学部時代)。法科大学院のころからは、試験前はしっかり寝るようになり、成績も良くなりました。こうした実体験からも、しっかりと睡眠をとった方が試験の成績が良くなると思います。

また、睡眠不足だと、風邪をひくなど、体調が悪化しやすくなります(そして、風邪などによる頭痛・鼻水・寒気・だるさetcは、ダイレクトに勉強や答案作成の障害となります)。

ぜひ「寝る勇気」をもって、しっかり睡眠をとってください。

 

試験時間は朝早いことも多いと思います。試験の時間帯には普段から起きているようにするために、普段から早起きを心がけましょう。試験の日だけ早起きしても、体内時計の影響で、脳の活動は100%の状態にはなりません。その意味でも、夜遅くまで勉強するよりも、朝早く起きて勉強した方が効率的です。

 

睡眠中に、脳や体の疲労回復、記憶の整理・定着がしっかりなされるためには、「良質な」睡眠であることが重要です。「良質な」睡眠をとるためには、下記のことを心がけてください。

①朝にカーテンを開けてしっかり朝日を浴びる

②15時以降はコーヒーなどのカフェインを飲まない

③夕食は20時までに済ませる

④寝る前に強い光を避ける(パソコンやスマホを見ない(見るとしても夜間モード(ブルーライトカット)にする)

⑤アルコールは睡眠の「質」を下げる ので控える

⑥就寝・起床時間は一定に。休日も!(寝だめは逆効果)

⑦部屋はできるだけ暗くして寝る(真っ暗がベスト。難しければアイマスクをしましょう)

⑧部屋の温度や湿度を適切に設定する(とくに湿度が低いと風邪をひきやすいです。加湿器がなければ、洗濯物や濡れタオルを干すなどしましょう)

⑨音が気になる場合は耳栓をしましょう

 

  

 

日中に運動しておくことも睡眠の質を上げるので、(試験勉強で大変なので長時間の運動は難しいと思いますが)昼間に休憩がてら散歩をすることや、休憩がてら短時間の筋トレ(スクワット・腕立てなど)をすることもおすすめです(リフレッシュ効果で、その後の勉強の効率も上がります)。

 

 

3 おわりに 

本記事で書いたことは、試験シーズン以外でも大変役に立つので、ぜひ習慣として生活に取り入れてもらえればと思います。

 

それではまた!(期末試験がんばって下さい!)

 

【参考文献(いずれも超おすすめの本です)】

 

健康な人生を送るための方法(エビデンスに基づくもの)がたくさん書かれています。

 

 

メンタルの整え方についても書かれているのでおすすめです。

 

商法(会社法)のおすすめ教科書・演習書・判例集リスト

 

こんにちは、コポローです。

今回は商法のおすすめの教科書・演習書・判例集を厳選して紹介します。

 

〇最もおすすめの会社法の教科書です。

わかりやすい上に、執筆者は司法試験・予備試験の考査委員です。 

 

 

 

〇中級者~上級者のための辞書です。実務に出てからも重宝します。

 

 

 〇田中亘先生の教科書(中級者以上におすすめ)。先端的です。

 

 

 〇令和元年会社法改正の理解に最適です。

 

 

〇商法総則・商行為の教科書としてはこちらがおすすめ。平易で分かりやすいです。

 

 

 

〇中堅研究者が会社法判例について的確に解説しています。

 

 

 

〇演習書として最適です。重要論点の多くがカバーできます。

なお、解答例が載ってないのが弱点ですが、本ブログにて解答例を紹介しています↓↓

kaishahou.hatenablog.jp

kaishahou.hatenablog.jp

 

 

〇商法全体の重要判例がカバーできます。

掲載判例が多く、あてはめまで載っているものが多いです。

 

 

〇定番の判例集です。会社法判例百選は解説も良質との定評があります。

 

 

 

なお、百選第3版以降の重要判例は、下記記事でまとめています。

よろしければ参考にしてみてください。

kaishahou.hatenablog.jp

 

今回の記事は以上です。

本記事は随時更新していく予定です。

それではまた!

 

   

民法の勉強・答案作成で失敗しないポイント

こんにちは、コポローです。

今回は、民法の各種論述試験にむけた勉強のポイントと答案作成のポイントについて解説します!

 

勉強のポイント

「各種場面でどの条文(制度)が使えるのか」を整理しておく

民法415条・709条などの責任規定や、物権的請求権、債権者代位権・詐害行為取消権などを適確に使いこなすことができるようにしましょう!

→教科書を読んでいてもなかなか記憶に定着しないので、ノートなどにまとめるとよいです。


◎上記各制度の要件について、具体例とともに整理する。

→試験では複数の論点が問題になりうるので、漏れがないように整理しましょう。

最高裁判例は問われやすいので、重要な判例は百選などで押さえましょう。

 

 

事例問題での答案作成のポイント(手順)

 

⓪試験が始まったら、まず大問の数と配点を確認し、時間配分の目安を立てる。

※たとえば、大問が2問ある場合、1問目で時間を使いすぎないようにしましょう!

 

①各大問の事例文を読む前に、まず個々の設問に目を通し、何に注意して事例文を読むべきかを押さえる(ここ重要!)

→このように意識しないと、事例文を2度・3度読む羽目になります。

 

②そのうえで事例文を正確に読む。その際、余白に図を書くなどして、当事者関係などをしっかり把握する。

→問題文はしっかり読みましょう。誤読は致命傷になりえます(急がば回れ)。

 

③各設問を解くための答案構成をする(時間配分も考えつつ)。

→答案構成なしに書き始めると支離滅裂になる可能性が高いです。少なくとも一定の見通しは立てましょう。

出題者が何を問うているか(中心的な論点。複数ありえます)を考え、その問いに正面からしっかりと答えるような答案構成にしましょう。些末な論点について長々書くのはNGです。

 

 

④実際に答案を書く(完璧な答案を目指すのではなく、配分した時間の中でベストを尽くす意識で!

→コンパクトでわかりやすい記述を心がけましょう。

下記記事も参考にしてみてください。

 

kaishahou.hatenablog.jp

 

 

⑤大問に配分した時間が来たら、途中でもいったん切り上げ、次の大問に行きましょう。

→完璧を目指してはいけません。優秀な人でも書きたいことの7割~8割しか書けませんが、それでもほぼ満点が取れます。残りの2~3割を書いても点数はあまり伸びません。その残り2~3割を書くために、次の大問の解答時間を削るのは愚策です。

 

 

答案作成のポイント(内容面)

◎論述試験の際、条文は細かく示す。

法律学の試験は、大部分において「条文を使いこなせるか」を問う試験なので、民法の条文を深く理解し(どこにどのような条文があるか大まかに理解しておくこと)、使いこなせることを答案で示しましょう。

 

→条だけでなく、項や号まで正確に引用しましょう!


判例がある場合は、賛成するにせよ反対するにせよ判例の立場を示す(その立場が判例であることも明示しましょう)。

判例は条文の次に重要な法規範です。判決文や弁護士が書く各種書面でも、判例がある場合は、賛成するにせよ反対するにせよ必ず明示します。

判例に反対する場合は、反対すべき理由をしっかり書きましょう。

 

◎試験では、あてはめも重視されている。例えば、何が債務不履行・過失なのか(特に債務・注意義務の内容)、損害額は何か、などを事例に即して丁寧に論じる。 

→出題者は「あてはめ」も意識して事例文を作っています。事例文をしっかり読んでいれば、出題者の意図もつかめます。

 

 

今回の記事は以上です。

この記事は、定期的にリライト(加筆修正)していく予定です。

それでは、また次回!!

 

   

本記事の関連記事です↓↓

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答案で分かりやすい文章を書く方法(8つのポイント)

  

こんにちは、コポローです。

今回は『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた』を参考に、法律学の答案に使えるものに絞って、わかりやすい文章の書き方のポイントについて解説します。

 

 

 

 

① 文章はできるかぎりシンプルに!!

・なくても意味が通じる言葉は削ってください。

・同じ言葉の重複(「まず第一に」など)も、やめましょう。

文章が長くなると、読み手への負荷が上がります。

文章を簡潔にすれば、答案作成時間も節約できて一石二鳥です。

 

 

② 文章も見た目が重要! 読みやすさを意識して!!

・答案いっぱいに文字が詰まっていると、読みにくく感じます(本当に実感します)。

 

・そこで、答案には余白を適宜作って、読みやすくしましょう。具体的には、適切に改行(5~6行で改行が目安)するのがおすすめです。小見出しも積極的に活用しましょう。

 

ひらがなと漢字のバランスを考えましょう。ひらがな2~3割、漢字7~8割が読みや すいと言われています法律学の文章は漢字だらけになりがちなので、平仮名にできるものは平仮名にしましょう。たとえば、「及び」「又は」などは、平仮名にしましょう。

 

文字の大きさも答案用紙の行の高さいっぱいに書くと読みにくいです。行の高さの7割ほどがベストだと思います。 こうすることで、後で「吹き出し」などを使って、加筆するときもスペース的にやりやすくなります。

 

だからといって、あまりに小さい文字で書くことはお勧めしません。司法試験や予備試験の答案はコピー(あまり高画質ではないとの話があります)されたうえで、採点官に配布されます。また、採点官は老眼であることも少なくありません(笑)。

 

 

③ 接続詞を正しく使おう!!

接続詞は使いすぎても、使わなさすぎても読みにくくなります。適度に使いましょう。 

逆説の接続詞は必ず入れましょう(並列と順接の接続詞は削っても意味が通じやすいですが、逆説の接続詞は削ると非常に読みにくくなります)。

 

 

④ 主語と述語はワンセットで!!

主語がない文章も(同じ主語が続くときなど、主語が自明である場合を除き)読みにくいです。

主語と述語が対応していない文章も、当然ながらNGです(読み手の負荷が極めて高いです。二度・三度読まないと理解できないこともあります)。

 
 

 

⑤「一文は短く」を意識して!!

法律学の文章は一文が長くなりがちです。とくに判決文は長すぎです。しかし、長い文章は、やはり読みにくいです。できるだけ一文が短くなるように意識しましょう。

長い文は2つに分けましょう。

 

 

 ⑥ 修飾語と被修飾語は近くに、主語と述語は近くに!!

・修飾語と被修飾語の対応関係、主語と述語の対応関係に誤解・混乱が生じないように、これらは近くに置きましょう

 

 

⑦ 読み手が認識しやすくするように心がける

文章中でも、記号( ①②③、(ア)(イ)(ウ)、(a)(b)(c)など)を使って、読み手にわかりやすく。

 例)役員等の任務懈怠責任の要件は、①役員等、②任務懈怠、③会社の損害、④(②と③の)因果関係である(会社法423条1項)。 

 →あとで、「②については、」「(③充足)」などと、記載を簡略化できるというメリットもあります。

 

括弧()を適宜使いましょう。何か補足したいときに使えます(論文や教科書などでは脚注も使えますが、答案では括弧で補足するしかありません)。

 

読点「、」も、読み手が文章を認識しやすくなるように、との観点から適宜使ってください。

 

 

⑧ 他人の答案も参考にしよう!!

・他人の答案(友人の答案、合格者の再現答案など)も参考にして、良いと思った点は積極的に取り入れるようにしましょう。

・反対に、「読みにくい」「わかりにくい」と思った場合は、その理由を考えたうえで、反面教師にしましょう。

 

   

今回の記事は、以上です。

少しでも、読者の皆様の参考になれば幸いです!

本記事は随時アップデートしていきたいと思います。

それではまた!!

 

 

答案作成では使えないけど、レポートや仕事では有効なテクニック(数日おいて推敲するなど)も多数紹介されており、おすすめの本です!

 

 

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最新判例解説・最判令和3年7月5日(株式買取請求後に仮払いを受けた株主は価格確定まで株主総会議事録閲覧謄写請求権者たる「債権者」に当たる)

こんにちは、コポローです。

「最近の会社法関係の重要判例について、学習者向けに要点を分かりやすく解説する」記事を連載しています。

最近の予備試験や司法試験では、裁判例を題材(元ネタ)の一部とした出題が散見されます。

そこで、重要判例解説や商事法務掲載の解説などを参考に、各種試験との関係で重要な裁判例をピックアップし、要点を分かりやすく解説していきたいと思います。

「最近の判例」の基準としては、会社法判例百選第3版に掲載されていない判例を念頭においています。

   

 

第10回となる今回の判例は、最判令和3年7月5日裁判所ウェブサイト株式買取請求後に会社から仮払いを受けている株主は、価格が確定されるまでは、株主総会議事録の閲覧謄写請求を行いうる「債権者」に当たるとした判例)です。

 

出たばかりの判決のため、公刊判例集には(7月9日現在では)未搭載ですが、裁判所ウェブサイトに掲載されています。

 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=90461

 

 

(事案の概要)

①Y社の株式の併合に反対する株主Xが、Y社に対して株式の買取請求をしたところ、Y社と価格で協議が整わなかったため、裁判所に対し、株式の価格決定の申立てをした。

②その後Y社は、価格決定の前の時点で、株主Xに対し、会社法182条の5第5項に基づき、会社が公正と認める額を支払った(いわゆる仮払制度に基づく支払い)。

③株主Xは、自らは本件株式の価格の支払い請求権を有しており会社の「債権者」にあたるとして、会社法318条4項に基づき、会社の株主総会議事録の閲覧・謄写を求めた(本件訴訟)。

④本件株式の価格決定申立て事件は、本件訴訟(株主総会議事録の閲覧謄写請求事件)の原審の口頭弁論終結時に、東京地裁に係属中であり、本件株式の価格の決定はなされていない状態であった。

⑤なお、会社側は、株主は会社から会社法182条の5第5項に基づく支払い(仮払い)を既に受けているから、本件株式の価格が当該仮払いの額を上回らない限り、会社法318条4項の「債権者」にはあたらない、と反論していた。

 

(法的争点)
株式買取請求および株式の価格決定申立てをした後、会社から公正な価格の仮払い(会社法182条の5第5項)を受けている株主が、株主総会議事録の閲覧謄写請求を行いうる「債権者」(会社法318条4項)にあたるか。

 

 

(判旨)

会社法318条4項は、株式会社の株主及び債権者は株主総会議事録の閲覧等を請求できる旨を定めている。そして、同法182条の4第2項各号に掲げる株主(反対株主)は、株式併合により1株に満たない端数となる株式につき、同条1項に基づく買取請求をした場合会社との間で法律上当然に売買契約が成立したのと同様の法律関係が生ずることにより上記株式につき公正な価格の支払を求めることのできる権利を取得し最高裁平成22年(許)第30号同23年4月19日第三小法廷決定・民集65巻3号1311頁参照)、同法318条4項にいう債権者に当たることとなると解される。


 ところで、会社は、上記株式の価格の決定があるまでは、上記買取請求をした者に対し、自らが公正な価格と認める額を支払うことができる(同法182条の5第5項)。もっとも、上記株式の価格は上記の者と会社との間の協議により又は裁判によって決定されるところ(同条1項、2項)、同法182条の4第1項の趣旨が、反対株主に株式併合により端数となる株式につき適切な対価の交付を確保することで上記株式についての反対株主の利益の保護を図ることにあることからすれば、上記裁判は、裁判所の合理的な裁量によってその価格を形成するものであると解される(前掲最高裁平成23年4月19日第三小法廷決定参照)。そうすると、上記協議が調い又は上記裁判が確定するまでは、この価格は未形成というほかなく、上記の支払によって上記価格の支払請求権が全て消滅したということはできない

 (中略)

 したがって、同法182条の4第1項に基づき株式の買取請求をした者は、同法182条の5第5項に基づく支払を受けた場合であっても、上記株式の価格につき会社との協議が整い又はその決定に係る裁判が確定するまでは、同法318条4項にいう債権者に当たるというべきである。」

 

 

 

(解説)

以上のように、最高裁は、「株式買取請求後に仮払いを受けた株主は、価格が確定されるまでは、株主総会議事録閲覧謄写請求権者たる『債権者』に当たる」としました。

 

学説等の議論は乏しい問題についての判決ですが、仮払い制度の趣旨からすると、妥当な判決だと思われます。

 

評釈等が出てきましたら、詳しい解説を記載したいと思います。

 

今回の記事は以上です。

少しでもみなさんの参考になれば幸いです!!

それではまた!!!

  

 

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試験の答案を速く書くための11の方法(答案作成時間最大化の工夫)

こんにちは、コポローです。

今日は、私が受験生時代に実践していた、答案作成時間最大化のための工夫について紹介します。

各種試験(特に司法試験)は時間との戦いです。たくさん知識があったり、深い考察ができたとしても、答案としてアウトプットできなければ、まったく意味がありません!!

ぜひ、今回の記事を参考にして、答案作成時間を少しでも多く確保できるように準備してほしいと思います。

量が多いため、箇条書きでまとめていきます!!

   

 

➀設問を読んでから、事例文を読む(その方が考慮すべき要素を拾いやすい!)

 


②条文を逐一読まない(自信がないときに確認程度に見るだけにする)

⇒覚えておくべきことは覚えておく(よく使う条文は直前期には条文番号まで覚えておくのが好ましい)

 具体的には・・・・・・

会社法:各種責任の要件・各種訴訟の要件・各組織再編行為の大まかな手続きの流れ(条文の並び)。どこにどのような条文が書かれているいるか把握して検索しやすくしておく!

憲法:人権部分の重要な条文番号を記憶

行政法:政訴訟法の訴訟要件・仮の救済の要件・国賠請求の要件などを記憶

民法:条文が多いのですべてを覚えることはできないが、どこにどのような条文があるかは把握しておく。超重要な条文は条文番号も記憶。
・民訴:どこにどのような条文があるかを把握。重要な条文は条文番号も。
・刑法:主要な犯罪の構成要件(特に財産犯)・正当防衛や緊急避難の要件を記憶。
・刑訴:試験用六法に条文見出しがないので、本番で条文を探すのは大変なので、よく使う条文番号(準用の仕方も)は覚えておく。

 

※記憶力には限度があるので、各自できる範囲で結構です。条文参照に時間を使いすぎるのはもったいないので、「覚えられるのであれば覚えちゃいましょう」という趣旨です。

 


③同じ内容を、より短く(より端的に)書けないか考えながら書く

→これは日ごろのアウトプットの練習でも意識しましょう。上位答案などを参考に研究するとよいです。

小見出しなども活用してコンパクトに書きましょう。

 


④問題文中の事実をそのまま抜き出さない。できる限り要約する。

→答案で問題提起するときや、あてはめをするときにやりがちです。採点者は、問題文を当然知っているので、多少省略しても伝わります。大事なポイントにしぼって端的に書いた方が好印象です(採点者はたくさんの答案を読むため、長々書かれるとイラっとします(私も答案添削をするとき、いつも感じます))。

 


⑤メリハリをつける。当該事案で、実益(論点性)の小さい問題点を大々的に論じない。

→特に、憲法・刑法で注意が必要です。

 


⑥ボールペンは、最速で書けるものを使う。いろいろ試してみて!

→個人的なおすすめは、Jetstreem(ジェットストリーム)0.7mmです↓↓ 

 


⑦空いたスペースへの書き足し用に0.3ミリ以下のペンを別に用意しておく。

→書いた後から、吹き出しや、くさびマークで、書き足しをしたくなることって、多々ありますよね。そういうとき、太いボールペンだと、書きにくいし、読みにくい(悪印象)です。

かといって、最初から、細いボールペンを使うと、書きにくくて、書くのが遅くなります(腕への負担も大きい)。

そこで、私は、書き足し用に、0・3ミリの極細ボールペンを用意していました。実際かなり便利でしたよ!私が愛用していたものです↓↓

 

 


⑧六法のページを大きく行き来するとき、細めのボールペンを栞(しおり)代わりに使う

会社法民法など、六法の複数のページを参照するとき、しおりがあると便利です。しかし、試験のとき、しおりは持ち込み不可。試験のとき、机上に置いてよいもので、しおりの代わりになるのは、ボールペンでしょう!

実際、(細目の)ボールペンをしおり代わりに使うと、めっちゃ便利でした!

普段使うボールペン、書き足し用の細いボールペンのほか、しおり用のボールペンを2、3本用意しましょう!!

私がしおり用として使っていたものです↓↓

 

 


⑨腕の筋トレ(握力トレーニングなど)を勉強の合間にやる(リフレッシュ効果もあります)。

大事なのは、筋瞬発力ではなく、筋持久力なので、軽めの負荷で数分間トレーニングしましょう!(高負荷のトレーニングは不要です)

 

 


⑩試験本番では湿布等を用意して、筋肉痛・関節痛対策をしましょう。

試験本番では、長時間の高速筆記を科目の数だけ繰り返すことになります。これは、想像以上に腕への負担が大きいです。

そこで、私は、湿布などを用意して司法試験本番に臨みました。おかげで、最後の科目でも書きまくることができました!かなりおすすめです!

 


⑪ペンだこ等で指が痛くなる人は、バンドエイドなどを指に巻くのがお勧めです。

→わたしは中指に大きなペンだこがあり、答案作成のときは、いつも痛くなっていました。痛くなってから巻いても効果はありますが、むしろ 最初からバンドエイドを巻いて試験を受けた方が、そもそも痛くなりにくくてオススメです!

   

 

さて、ここまで読んで、「やりすぎやろ~」「ドン引きやわ!!」と思った方も多いかもしれません(笑)

しかし、こうした細かい点やフィジカル面を侮ってはいけません!!

できることは何でもやったほうがいいです!!

そもそも、司法試験、予備試験などは人生をかけた試験です!(合格できなければ、苦しい展開が待っています。他方、上位で合格できれば、良い人生の進路が開けます!!)。

 


(参考)水野敬也『夢をかなえるゾウ』246頁より。言葉はきついですが(笑)。
「ええか?成功したいって心から思とる奴はな、何でもやってみんねん。少しでも可能性があることやったら何でも実行してみんねん。つまりやな、『ばかばかしい』とか『意味がない』とか言うてやらずじまいな奴らは、結局そこまでして成功したくないっちゅうことやねん。『やらない』という行動を通して、成功したくない自分を表現してんねん。」

 

 

注意点➀

時間節約は大切ですが、問題文を読む時間を短くしようと意識しすぎるのは良くないです。問題文の読み間違えをしていたら致命傷になります(リターンに比してリスクが大きすぎます)。

また、事案をあいまいにしか把握できていないと何が問題(論点)なのかが、見えないこともあります。

事案の状況を正確に把握することができて初めて、問題点が的確につかめるのです。まさに「急がば回れ」です正確に読むことが第1で、読む速さはその次です。読む速さを速めようとする努力も悪いとは言いませんが、この順番だけは守らないといけません。

 

注意点②

また、時間短縮のため、①字を雑に書く、②主語や目的語を省略する、③略字を使う(③は民法の潮見先生が学部講義で怒っていました(笑))というのも、やめた方がよいです

答案は採点官に理解してもらうためにあるのであって、自分が書けた気になっているだけではダメです。

採点官が気持ちよく読めるように、採点官が理解しやすいように、心がけて下さい。表現力や説得力により採点官が付ける点の幅には裁量がある(と思われる)ので、そこに答案の印象が反映されるのは間違いないと思われます。

速く、丁寧な字で、分かりやすく書くということはとても難しいことですが、アウトプットの練習で日頃から意識していけば、少しずつ向上していくと思うので、あきらめないで努力してほしいです。

 

以上、長々書きましたが、少しでも参考になればと思います。

それでは、また!!

 

 

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会社法事例演習教材(第3版)の解答例・第1部紛争解決編まとめ

 

 

こんにちは、コポローです。

京大をはじめとする一流ロースクールの授業で使われている演習書に『会社法例演習教材(第3版)』があります。

この演習本は、基本から応用まで、各種試験で問われる重要な論点について、網羅的に取り扱っており、非常におすすめの教材です。

私も受験生時代とてもお世話になりました!私が上位合格できたのはこの本のおかげといっても過言ではありません。

ただ、この本は、解答例が掲載されていない点が大きな欠点で、自習用として使いにくくなっています。

そこで、本ブログでは、私が受験生時代に作成したノートをベースに、新しい判例・法改正にも対応した解答例を連載しました(今後も版の改訂はもちろん、新判例や法改正にも、記事の更新によって対応していきます)。

 

 

 

 

本記事は、読者の参照の便宜のために、第1部紛争解決編の記事をまとめたものです。

 

 

 

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第1部の解答例は以上です。

少しでも読者の方の参考になれば幸いです 。

それではまた!

 

 

 
 

 

会社法事例演習教材の解答例Ⅰ-12(設例12-2)事業譲渡と債務の承継

こんにちは、コポローです。

今日は会社法事例演習教材(第3版)Ⅰ-12(設例12-2)の解答例を紹介します。

テーマは、事業譲渡と債務の承継です。

 

会社法総則(商法総則)に関する問題ですが、試験に出やすい重要なテーマなので、しっかり勉強しましょう! 

 

   

(1)事業譲渡における商号等の続用、債務引受けの広告

Q1

①P社からQ社への債務の引受け

② (債務引受けがなかった場合)商号続用者の責任追及(会社22条1項)

③(債務引き受けがなかった場合)債務引き受けの広告に基づく責任の追及(会社23条1項)

 

※まずは①債務引受けがあったかどうかを検討して、なかった場合に、②や③責任を追及することになる。

 

 

Q2

全く同一の商号でなくても、取引通念上、従前の商号と同一の商号を続用したとみられるのであればよい。

ただ、「新」の字を付加することは、取引通念上、継承的字句ではなく、かえって旧会社の債務を承継しないことを示すための字句であるから、商号の続用には当たらないとするのが判例である(最判昭和38年3月1日商判例百選17事件)。もっとも、学説には反対もある。

 

Q3 

最判平成16年2月20日商法判例百選18事件は、

①預託金会員制ゴルフクラブの名称がゴルフ場の営業主体を表示するものとして、用いられている場合で、

②ゴルフ場の営業が譲渡され、譲受人がゴルフクラブの名称を続用しているとき、

③譲受人が譲受後に遅滞なくゴルフクラブ会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否するなどの特段の事情のない限り、

会社法22条1項の類推適用を認める。

 

その理由は、会員において、同一営業主体による営業が継続していると信じたり、営業主体の変更はあったけれど譲渡人の債務の引き受けがなされたものと信じたりすることは無理からぬものだから、とされている。

ここでは、ゴルフクラブではゴルフクラブの名称で営業主体を認識するのが利用者の考え方であるとされている。

 

※この法理がどこまで波及するかは問題である。

ただ、22条2項による責任回避のうち、登記は、ゴルフクラブ等において適用できない(ゴルフクラブ続用の登記はできない)。したがって、類推適用の範囲を安易に拡大すると、譲受人にとって不測の不利益を負わせることになるため、問題である。

 

本問でも、①②③の要件は充足されるといえれば、Q社への預託金返還請求が認められる。

  

Q4

23条1項の「債務を引き受ける旨の広告」に該当するかが問題となる。該当すれば、Q社に預託金返還請求ができる。

 

・広告といえるか?

→会員全員に出しているので問題ないだろう(新聞などに載せる必要はないだろう)

 

・債務引き受けの公告といえるか?

→かつての判例には、事業譲受けの文字に債務を引き受ける趣旨があるとして、緩やかに23条1項の適用を認めるものもあったが、現在の判例は、単に事業を譲り受けたという内容だけの広告では、債務引き受けの広告に該当しないとしている(最判昭和36年10月13日商判例百選20事件)。

 

本件事例は、微妙で、2通りの解釈(判断)がありうる。

➀施設の利用供与義務の引き受けのみの広告であって、預託金返還債務の引き受けの公告ではないとする解釈

 

②従来通り施設を利用させるということは、従来通り正会員としての地位を認めるということであり、正会員に対する法律関係はすべて承継する旨を意味していることから、預託金返還債務の引き受けの広告に該当するとの解釈

 

Q5

詐害的事業譲渡において、譲受会社に対して債務の履行請求ができるとする会社法23条の2が適用される。

※これは、平成26年会社法改正によって導入された規定である。

※詐害性の要件は、民法の詐害行為取消権と同様とされている。つまり、P社に預託金返還債務を履行するのに十分な財産が残されていないような場合、23条の2が適用される。

※このほか、詐害的な事業譲渡には、詐害行為取消権(民424)、法人格否認の法理を適用する余地もある。

 

 

(2)事業譲渡と労働契約関係の承継

Q6

合併などの包括承継では、使用人の個別の同意は不要であるが、事業譲渡は包括承継ではなく、あくまで個別的な権利移転が多数行われているものであり、譲渡される権利義務の内容は契約で自由に決めることができる(権利義務の一部を譲渡の対象としないことも可能)。 

本件では、B~Gの雇用関係は移転しないこととされているため、B~GはQ社との雇用契約の継続を主張することはできない。

 

なお、大阪高判昭和38年3月26日判時341号37頁は、合理的な措置が取られる等、特段の事情がない限り、従前の労働契約が当然に承継される(民625条1項の修正として労働者の同意不要)と判示している。

しかし、これには理論的根拠に乏しいとの批判がある。この裁判例は、労働者保護のために特殊な判断を行った裁判例で、一般の考え方と異なる(当然に雇用契約が移転されるというのは、民法625条に違反する)もので一般化できないと言われている。

→商法判例百選16事件の洲崎博史解説を参照。

 

 

Q7

 民商法上の保護は与えられないが、労働法上の保護が与えられる。

 たとえば、不当労働行為(B~Gが組合員のためB~Gの労働契約を移転しなかった場合など)や不当解雇の問題として保護されうる。

また、労働委員会が私法上の権利義務にとらわれることなく、救済することもありうる。

 

設例12-2の解説は、以上です。

今回のテーマは、重要な論点なので、詳しめの教科書および判例百選でしっかり復習しましょう!!

これで会社法事例演習教材第1部(紛争解決編)の解説は終了です。

 

第2部(紛争予防編)の解答例は下記記事からご覧いただけます。

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会社法事例演習教材の解答例Ⅰ-12(設例12-1)支店長名義での取引と名板貸責任

こんにちは、コポローです。

今日は会社法事例演習教材(第3版)Ⅰ-12(設例12-1)の解答例を紹介します。

テーマは、支店長名義での取引と名板貸責任です。

 

会社法総則(商法総則)に関する問題ですが、試験に出やすい重要なテーマなので、しっかり勉強しましょう! 


 

 

(1)B個人の責任

Q1

 本件では、Bは自己に効果が帰属する取引として本件取引を行っており、P社に効果を帰属させようとしているわけではない(したがって、無権代理(民117)ではない)。建材の売買契約はCとBとの間で有効に成立しており、当該売買契約に基づいて、CはBに代金を請求することができる。

 

Cが取引相手をP社と誤認していても、結論に影響はない。名板貸人に関する会社法9条は、名板貸人は名板借人と連帯して責任を負うとしている。相手方が誤認していても、契約は名板借人との間で成立し、効果が名板借人に帰属していることを前提としている。

 

(2)P社の責任

Q2

BはP社とは別個独立の事業を行っており、P社の指揮監督を受けていない。よって、Bは、P社の使用人ではないため、表見支配人に関する会社法13条を適用することはできない。 (仙台高判昭和61年10月23日判タ624号218頁参照)

 

※13条はあくまで、「使用人」に適用される。使用人以外の者に類推適用することもできるが、その場合でも、鳥取支店が支店(営業所)としての実質を備えていなければならない(最判昭和37年5月1日商判例百選23事件・通説)。本件では、支店の実質がないので、13条の類推適用も認められない。

 

 

(3)借入れ後の退任

Q3 

下記で検討する通り、CはP社に名板貸し人の連帯責任を追及できる。

 

⇒1

商号に 支店や出張所などの語を付加して使用することを許諾した場合にも、名板貸人の責任が認められる最判昭和33・2・21民集21巻2号282頁(出張所を付加した場合について肯定した))。

 

※なお、商号以外のものを提供したときは、名板貸人の規定ではなく、民法109条の問題となる。

 

 

⇒2

公共工事の受注は、これ自体 が土木建設業であり、P社の事業の一環である。よって、本件では、事業に関して商号を使用することを許諾しているといえる。

 

※なお、名板貸しは危険性が高いため、重要な業務執行の決定として取締役会の決議事項となりうる。もっとも、取締役会決議を欠く業務執行は、相手方が善意無過失なら有効なので(最判昭和40年9月22日会社法判例百選第3版64事件)、問題は少ない。

 

⇒3

Cは 営業主体が異なることについて善意無重過失であればよい。

 ※判例上、重過失は悪意と同様に取り扱われる(最判昭和41年1月27日商判例百選12事件)。

 

CはBが支配人と信じて取引を行っていることから善意であるといえ、極めて疑わしい事情がない限り重過失があったともいえない。よって、Cの主観的要件は充足される。

 

Q4

 P社代表取締役AがBにP社鳥取支店支店長の名義を与え、Bがそれを名乗ってCと取引していることから、P社はCに代理権授与表示を行ったといえる。よって、Cに過失がなければ、Cは表見代理民法109)に基づき、P社に責任を追及できる。

本問でCに過失があったかどうかは不明。

 

 

※Q1で述べたように、Bは代理している意思がなく無権代理ではないため、民法109条・会社法13条が適用されるか疑問もあるが、これらの規定は第三者保護のために適用ないし類推適用できると考えられている(最判昭和35・10・21民集14巻12号2661頁東京地裁厚生部事件))

 

⇒ 

会社法13条は民法9条の特則「的」な規定。要件を満たす限り、いずれの規定も適用できる。

主観的要件の面で、表見支配人の規定の方が有利なので、表見支配人の要件が満たされる場合、民法109条を主張する実益はない。しかし、本件のように(Q2参照)、表見支配人の要件が満たされない場合、民法109条を適用する実益がある。

 

Q5

下記のとおり、登記のないことはP社が責任を負うべきとの結論に影響を与えない。 

 

⇒1

会社法911条3項3号に基づき、 本店所在地にて(同1項)、支店の所在場所についての登記がなされ、918条に基づき、支配人の登記がなされる。

 

加えて、支店の所在地において、商号・本店の所在場所・支店の所在場所の登記がなされる(930条2項3項)。  → 令和元年会社法改正で、支店の所在地における登記の制度は廃止され、これらの規定は削除された。 

※法改正の経緯

会社法制定により、本店の所在地に登記が集中され、支店の所在地における登記は、商号、本店の所在場所、支店の所在場所のみとなった(令和元年改正前会社930条2項)。支配人の登記は、本店所在地の登記所のみになされる。これは、オンライン化により、本店の登記を簡単に見ることができるようになったためである。その後、オンライン化がさらに進み、支店の所在地における登記は必要ないとされ、令和元年会社法改正により廃止された。

 

⇒2

908条2項に基づき、P社は善意のCに対して、P社鳥取支店が「支店」ではないこと、および Bが同支店の支配人ではないことを対抗することができなくなり、そのことを前提に責任を負わなければならなくなる。よって、責任追及は容易になる。

 

⇒3

登記を見ていれば、鳥取支店の不存在に気づくはずで、重過失があるとして名板貸人の責任が否定されうるか問題となる。

しかし、一般に取引をするのに逐一登記を見なければならないとはされておらず、見なかったことが重過失になるわけではない。特に怪しい事情がない限り、登記を見ることは要求されない。

 

※なお、同様のことは、表見支配人に関する会社法13条においても問題となる。

すなわち、支店長をやめたのに支店長として行動していたことを会社が黙認していた(会社13条)が、退任登記はしていた(908条1項により第三者に対抗できる)場合に、13条と908条1項のいずれが優先するかという問題で、会社法13条が優先すると解されており、かつ、ここでも登記を見なかったことが重過失に当たるとは解されていない。 

 

⇒4

 軽過失のある相手方も会社法9条の保護をうけることができる。もっとも、重過失は保護されないので、本件では、重過失があったかどうかが問題となる。

支店は登記しないといけないが、登記しないからといって、支店でないということにはならない(登記の有無は支店の有効性を左右しない。登記しないと過料に処せられるだけ)。

Bではなく本店に問い合わせるべきであったかもしれないが、Bの解答は一応合理的なものであり、さらなる調査をしなかったことをもって重過失があったとはいえない。

 

 

設例12-1の解説は、以上です。

   

今回のテーマは、重要な論点なので、詳しめの教科書および判例百選でしっかり復習しましょう!!

それでは、また次回!

 

 

 

 

設例12-2の解説はこちらです

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会社法事例演習教材の解答例Ⅰ-11(設例11-3)監査役・会計監査人に関する諸問題

こんにちは、コポローです。

今日は会社法事例演習教材(第3版)Ⅰ-11(設例11-3)の解答例を紹介します。

テーマは、監査役・会計監査人に関する諸問題です。

やや細かいテーマですが、しっかり勉強しましょう! 

   

 

(1)取締役と監査役の任期

Q1

公開会社の 取締役の任期は2年だが、定款や株主総会決議で短縮可能(332条1項)。

ただし、指名委員会等設置会社では1年(332条3項)。

※本問では、監査役がいるから、指名委員会等設置会社ではない。

 

Q2

 公開会社の監査役の任期は4年で短縮はできない(336条1項)。身分の独立性・安定性確保のため4年となっている(任期が短いと再任してもらうために取締役に嫌われないように実効的でない監査をするおそれがある)。

 

任期を10年まで伸ばすという定め(332条2項、336条2項)。公開会社では、株主が変動し、かつ株主総会の権限が制約されるから、2年ごとに取締役につき、信認を問う必要があるが、非公開会社では、所有と経営が一致していることが多いので、頻繁に株主の信認を問う必要がないから。

 

閉鎖的な会社では、同じものがずっと役員をしていることがある(決議や登記を繰り返し行うのは無駄なため)。

※有限会社では、そもそも任期がなかった。

 

Q3

 有効(332条1項但し書き)。

 

Q4

無効。決議内容の法令違反になるため(336条1項違反)。 

監査役の独立性担保のため、短縮は許されないと解されている。

 

※Q3とQ4について、両方をセットにすることに意味がある決議の場合、両方とも無効になりうる。

 

(2)付属明細書の備置懈怠

Q5

招集手続の法定違反(442条1項1号(本店)、442条2項1号(支店))として、決議取消事由になる(831条1項1号)。福岡高裁宮崎支部判平成13年3月2日判タ1093号197頁参照。

※付属明細書は、取締役会設置会社において、株主総会の2週間前から5年間の備え置き義務がある。 

 

※裁量棄却(831条2項)がありうるか?

計算書類は総会通知に添付される(437)が、付属明細書は添付されない。よって備え置きがなければ、株主は知り得ず、軽微な瑕疵とは言えない可能性がある。

 

(3)監査役の報酬

Q6

 387条1項2項の趣旨は、監査役の適正な報酬を確保し、監査役の取締役からの独立性を確保すること(具体的な配分を定めない場合、監査役の協議で定めることになる。387条2項)。よって、取締役会に配分を一任する株主総会決議は、その趣旨に違反し、決議内容の法令違反(387条1項2項違反)として、無効である。

 

無効の範囲については、➀値上げ部分も無効とする考え方と、②配分の一任だけ無効で、387条2項が適用されるという考え方がある。株主の意思としての増額は尊重すべきであり、値上げ部分まで無効にする必要はないことから、②が合理的。

 

(4)会計監査人の選任手続

Q7

平成26年会社法改正前: 取締役が会計監査人選任について一定の行為を行うことについての同意(旧344条1項・3項)。取締役に対し、会計監査人の選任について、一定の行為を行うことを請求(旧344条2項・3項)。

 

平成26年会社法改正後:監査役監査役会設置会社においては監査役会)が、会計監査人の選任・解任・不再任の議案の内容について決定する。

 

会計監査人の報酬は、会計監査人と会社との間の契約で定められるが、報酬等の決定には監査役の同意が必要である(399条)。低い報酬額が定められ、実効的な会計監査ができなくなるおそれがあるため。

なお、選解任とは異なり、監査役が決定権を有するわけではなく、あくまで同意権にとどまる。

 

Q8

Aを候補者とすることには瑕疵がない。

しかし、取締役がBを候補者とする議案を提出するには、監査役会の決定が必要(34

4条1項、3項)なところ、同意なしに議案を提出したことは決議方法の法定違反として、 決議取消事由となる(831条1項1号)。

 

少数株主が会計監査人の選任に関する議案を株主総会に提出することについては監査役の同意は不要(344条1項1項、3項の文言)。よって、本件決議には瑕疵がなく、有効。

※334条は会計監査人の取締役からの独立性確保のための規定であり、(少数)株主からの独立性確保のための規定ではない。

  

設例11-3の解説は、以上です。 

 

 

今回のテーマは、応用的な論点なので、詳しめの教科書でしっかり復習しましょう!!

それでは、また次回!

 

 

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設例12-1の解説はこちら

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会社法事例演習教材の解答例Ⅰ-11(設例11-2後半)違法配当と役員等の責任

こんにちは、コポローです。

今日は会社法事例演習教材(第3版)Ⅰ-11(設例11-2後半)の解答例を紹介します。

テーマは、違法配当と役員等の責任です。

細かいですが重要なテーマなので、しっかり勉強しましょう! 

量が多いので、前半と後半の2回に分けて解説します。今回は後半です。

   

前半の解説はこちらです↓ 

kaishahou.hatenablog.jp

 

Q9

会計監査人も、462条の責任主体でない。

会計監査人と会社の関係は 委任関係(会社330条)であり、善管注意義務違反(民法644)があれば、任務懈怠責任を負う(会社423条1項)。会計監査人は会計の専門家であるので、他の役員よりも、高度の注意義務を負う。

なお、会計監査人は会社外の者であり、会社が違法行為をしたことについて、外部者に会社に対する責任を全面的に負わせることには問題がある。そこで会計監査人の場合は、過失相殺が認められる(民418)。 

 

462条に基づく責任間、および423条1項に基づく責任間では、それぞれ連帯責任となっている(462条柱書、430条)。462条と423条との間については、明文規定はないが、そもそも、462条の責任は損害賠償責任ではなく法定の特別な支払責任であり、423条の損害賠償責任とは連帯責任の関係にはならない。(430条は損害賠償責任についての規定であり462条には適用がない。)

 

(4)違法配当に関する役員等の第三者に対する責任

Q10

会計担当の業務執行取締役である Aは、計算書類の虚偽記載としたといえるので、429条2項1号ロにより、第三者に対し損害賠償責任を負う。

※429条2項が使えるときは、1項よりも、そちらを優先したほうが良い(立証責任の転換された過失責任)。Aは、故意で虚偽の計算書類を作っており、無過失の抗弁はできない。

 

会計についての業務を執行していないCは、悪意または重過失による任務懈怠(監視義務違反)があるとき、429条1項に基づき損害賠償責任を負う。

 

Bの適用条文は微妙。435条2項は会社が計算書類を作成するとしており、通常、代表取締役が会社を代表して作ることから、BもAと共同して計算書類を作ったといいうる(429条2項1号ロ)。Aだけが作ったのか、Bも共同して作ったのは設問から明らかでない。

Aだけが虚偽の計算書類を作ったと評価されるとき、Bは429条1項により責任を負いうる。

Bも虚偽の計算書類を作ったと評価できるとき、Bは429条2項1号ロにより、損害賠償責任を負う。ただBは無過失の抗弁を主張・立証しうる。

 

 Q11

監査報告において会計監査人監査の結果が相当でないことを記載すべきなのに記載しなかったこと(計算規則127条2項、128条2項)は、監査報告の重要事項についての虚偽記載に当たる(429条2項3号)。よって、DEFは無過失の立証に成功しない限り、Iに損害賠償責任を負う。

 

また、悪意または重過失による任務懈怠(監視義務違反)がある場合、429条1項に基づく損害賠償責任も負う。

 

Q12

会計監査報告において計算書類の不適正を指摘していないことは、会計監査報告の重要な事項についての虚偽記載にあたる(429条2項4号)。よって、GはIに対して、無過失の立証に成功しない限り、損害賠償責任を負う。

 

なお、Iは会計監査報告を見ていないが、会計監査報告の内容を反映した監査報告を見ているので、Gの虚偽記載とIの損害との間には相当因果関係が存在する。よって、Iが会計監査報告を見ていなくても、Gの責任を認めることは可能である。

 

Q10~Q12の第三者に対する損害賠償責任は連帯責任である(会社法430条)。

 

設例11-2の後半の解説は、以上です。

   

 

今回のテーマは、重要かつ難解な論点なので、詳しめの教科書でしっかり復習しましょう!!

それでは、また次回!

 

 

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設例11-3の解説はこちら

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(書評・要点紹介)井田良ほか『法を学ぶ人のための文章作法』

 

こんにちは、コポローです。

今回は、井田良=佐渡島紗織=山野目章夫『法を学ぶ人のための文章作法〔第2版〕』をさせていただきます。

初学者向けの本ですが、初学者以外の方にとっても、答案の書き方を見直すヒントが満載のため、おすすめです。

各種試験の受験者にも非常におすすめです。あまり知られていない答案の書き方のマナーや、採点する人がどんな思いをもって採点されているかを知ることができます。

 

 

 

   

〇本書の紹介

法律学の答案の書き方などについて、刑事法・民事法の著名教授と国語教育の専門家が、実例を交えながら解説しておられます。

「文章作法」と題記されているとおり、文章を書くに当たっての技術的な留意事項――主語、係り受け等の各文の注意点、段落の構成の仕方、接続詞の選択の仕方等――が丁寧に示されています。

また、法の初学者向けということで、法的三段論法、判例、論点といった法律学特有の基礎的な概念にも触れられています。

二色刷りで、分量も多くなく、非常に読みやすいです。

答案添削の実例が多数掲載されている点は、類書でも珍しく、大変参考になります!

採点者の目線・考え方を知ることができます。

 

 

〇本書で挙げられている例

シンプルに答案を書く方法
答案を作るときには頭の中で文章を組み立ててから書きますよね。

そのため、答案にも「次に検討する問題は〜」や、「以上の検討から導き出される結論は〜」というように考える過程を含めてしまうことがあります。

これらはあなたの頭の中で考えている順序であるため、答案に書く必要はありません。より端的で短い文章が読みやすい文章と言えます。下に例文を挙げます。
「次に検討しなければならない問題は、Aに正当防衛が認められるか否かという問題である。」

「Aの行為は、正当防衛と言えるか。」
これで十分なのです。書く時間の短縮にもなりますし、見直す時間も短くなります。

 

※コポロー的補足

小見出しを使って、(〇)正当防衛にあたるか、(〇)正当防衛該当性などと、書くとよりシンプルですし、(改行もあるので)採点者にとって非常に読みやすいです。

 

 

 〇最後に

文章の書き方について勉強することは、司法試験合格のために遠回りに思われるかもしれませんが、良い文章を書けるようになるとすべての科目の成績が上がるので、勉強のコスパは非常に高いです!!

 

今回の記事が少しでもみなさんの参考になれば幸いです。

それではまた!!

   

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