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会社法事例演習教材の解答例Ⅰ-7(設例7-2後半)429条1項・2項(責任主体、不実の情報開示)

こんにちは、コポローです。

今日は会社法事例演習教材(第4版)Ⅰ-7(設例7-2後半)の解答例を紹介します。

テーマは、 429条1項・2項(責任主体、不実の情報開示)です。

試験に出やすい超重要テーマなので、しっかり勉強しましょう!

量が多いので、前半と後半の2回に分けて解説していて、今回は後半です。

 

前半の解説はこちらです↓ 

kaishahou.hatenablog.jp

 

Q5

436条3項により、計算書類は取締役会決議により承認しなければらなないが、当該取締役会決議に賛成したことは、429条2項の「記載若しくは記録」をしたことには 該当しないので、429条2項は適用されない。

 

もっとも、虚偽記載について知っていた(もしくは重過失によって気づかなかった)場合は、429条1項に基づき損害賠償責任を負う。

 

 

Q6

Aによる巧妙な粉飾があった場合、Bの重過失が否定される可能性が高まる。

もっとも、Cが反対をしていることから、簡単には重過失は否定されない。

   

 

 

 

(3)Cの責任

Q7

 429条1項に基づく損害賠償を請求することが考えられる。

取締役会議事録は作成されていないが、369条5項を文言上適用することができ(さもなければ議事録を作らないインセンティブが生じてしまう)、Cは賛成した者と推定される。

よって、Q社は、①取締役会決議があったこと、および、②Cの出席を主張立証すれば、Cの悪意又は重過失による任務懈怠を推定することができる。

 

これに対して、Cは取締役会で反対した旨を主張立証することで、悪意または重過失による任務懈怠の推定を覆すことができる。

 

※事情によっては、Cの監視義務違反による任務懈怠も問題となりうる(取締役会で反対するのみならず、監査役への通報等をすべきであったと解される場合はあろう)。

   

 

 

 

(4)Dの責任

Q8

 Dはいわゆる名目的取締役である。

名目的取締役の責任について、下級審裁判例の判断は分かれている。

 

一方で、①名目的取締役であっても、取締役としての任務を負っており、まったく監視・監督をしていない以上、悪意または重過失による任務懈怠になるとして、責任を肯定する裁判例がある。

 

他方で、②報酬をもらっていない者・数合わせのために取締役となっている者(名前を貸している者)については、重い責任を負わせるのは酷であるとして、重過失を否定したり、影響力がないことから因果関係がないなどとして、責任を否定する裁判例もある。

 

学説は①の考え方を支持する傾向にある(とくに会社法の下では、取締役会設置会社でなければ、取締役は一人でよいので数合わせの必要もなくなった)。

 

 

 以上、今回は応用問題でした。詳しめの教科書でしっかり復習しましょう。

 

それでは、また次回! 

    

 

  

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 設例7-3の解説はこちら

kaishahou.hatenablog.jp

 

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