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会社法事例演習教材の解答例Ⅱ-4(設例4-2)種類株式と単元株制度

こんにちは、コポローです。

今回は、会社法事例演習教材(第4版)Ⅱ-4(設例4-2)の解答例を紹介します。

テーマは、種類株式と単元株制度です。

重要なテーマなので、しっかり勉強しましょう! 

   

 

 

 

 

Q1

P社は非公開会社であるから、クラスa株式は譲渡制限付株式(107条1項1号参照)である(会社法2条5号の公開会社の定義を参照)。 

クラスb株式を上場する場合、クラスa株式と異なり、譲渡制限のない株式とする必要がある((1)・(2)の方法に共通して必要)。

 

 

(1)完全無議決権株式の発行による支配権の維持

Q2

115条に違反するため、そのような方法による発行はできない。

   

 

 

 

Q3

 クラスb株式を非参加的な優先株式とすればよい。非参加型にすれば、優先株式の株価は、普通株式の株価には連動せず、金利に連動する。

このような社債優先株式時価金利と優先配当金額によって決定される(Ⅱ-2(設例2-1前半)Q2の解答例を参照)。

よって、一株の払込金額を3000円程度としたければ、現在の金利の下で、そのようになるように優先配当金額を定めればよい。

 

クラスbの剰余金配当と残余財産分配は、クラスaの3倍にする旨を定款で定めればよい。議決権がないので、クラスaよりも少し安くなるが、理論上は、クラスbの株価はクラスaの3倍近くになる。 このような定めも、108条1項1号2号における、剰余金配当・残余財産分配についての異なる定めとして可能である。

   

 

 

 

Q4

Q3⇒のように クラスb株式を設計した場合、会社法115条の潜脱ではないかとの問題が生じる。

発行株式数の点では、クラスaもクラスbも100万株なので、形式上115条に違反しないが、出資額をみれば、議決権制限株式(クラスb)により議決権株式(クラスa)の3倍もの資金調達をしていることになるので、115条違反であるとする見解はありうる。

仮に、115条に違反しないとしても、取引所がこのような議決権制限株式の上場を認めない可能性もあり、最終的にAの希望が満たされるかは明らかでない。

   

 

 

 

 

(2)議決権に制限のない株式の発行による支配権の維持

Q5

一単元の株式数を種類ごとに決めることができる(188条3項)ので、普通株式には1株を1単元、優先株式には(例えば)10株を1単元と定めればよい。

そうすると、クラスb株式全体の議決権数は30万個となるので、Aらは全体の13分の9の議決権を有することになり、Aらの希望にかなう。

 

ただ、188条3項は、各種類の株式の市場価値に差がある場合のように、単元株式数を種類ごとに変えることに合理的なケースがあることから、導入された規定である。

たとえば、優先株が1万円、普通株式が1000円のときに、一株一議決権のままだと、出資額と議決権のバランスを欠くので、出資額と議決権のバランスをとるために、単元株制度を使って、優先株式を1株1単元、普通株式を10株1単元にすることで、議決権1個当たりの出資額が大きく異ならないようにすることが、188条3項の利用方法として想定されていた。

 

これとは反対に、本問のように、出資額当たりの議決権を種類株式間で異ならせるために、188条3項を使うことは、文言の上では排除されていないが、実質的には、会社法上許容されていない複数議決権株式を認めることと同じことになるため、違法ではないかという問題がある。

神田秀樹教授はこれを認めるが、異論があるところである。

もっとも、かりに、会社法上は違法とはいえないとしても、上記のような問題意識から、証券取引所がこのような株式の上場を認めない可能性もあり、最終的にAの希望が満たされるかは明らかでない。

   

 

設例4-2の解説は、以上です。

今回のテーマは、重要かつ難解な論点なので、詳しめの教科書でしっかり復習しましょう!!

それでは、また次回!

   

 

 

 

設例4-3の解説はこちらです

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