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会社法事例演習教材の解答例Ⅱ-8(設例8-3)決議要件に関する定款の定め

こんにちは、コポローです。

今回は、会社法事例演習教材(第4版)Ⅱ-8(設例8-3)の解答例を紹介します。

テーマは、決議要件に関する定款の定めです。

細かい点もありますが重要なテーマなので、しっかり勉強しましょう! 

 

 

 

 

 

Q1

普通決議・特別決議・特殊の決議のいずれについても、定款による定款による決議要件の加重が明文で認められている(309条1項2項3項)。

 

Q2

いくら加重してよいとしても、総株主の同意が必要であるとの定めはできないと解されている。

理由①:多数決原則の否定であり、株主総会の存在意義が失われる。

理由②:あらゆる決議事項についてそうすると、必ず決議しなければならない事項で決議不成立となるおそれがある。

 よって、(1)のあらゆる決議事項について総株主の同意を要求する定款規定は無効であると解されている(多数説)。

   

 

 

 

Q3

選任決議においては、仮に決議が成立しなくても困らない。

なぜなら、会社法346条により、欠員が出たら、それまでの取締役が引き続き取締役としての権利義務を有することになるので、決議が成立しなくても困らない。

よって、定款は有効であると考えてよい。

 

解任についても、決議が成立しなければ、代替手段として取締役の解任の訴え(854条)があるので、問題ない。

 よって、取締役の選解任については、総株主の同意を求める定款規定は認めてよい。

   

 

 

 

Q4

一般に決議要件の加重はできるので、3分の2に決議要件を加重する定款の定めは適法・有効であると考えてよい。

しかし、本問は、持株比率が6:4の合弁会社の事例で、3分の2以上の多数が必要ということは、総株主の同意が必要であるのと事実上同じになる(P・Q両方が賛成しないと決議が成立しない)。 

   

 

 

 

Q5

 (1)の定め方(Q2)との関係をどのように解するかは難しい問題である。2通りの考え方がある。

 

(A)Q2の場合と同様に、このような定款の定めは違法・無効といわなければならない。

 

(B)ただ持株比率は変動する。現在はたまたまこのような持株比率になっているので、事実上総株主の同意となっているだけで、将来解消される可能性もあることから、(3)のような定款の定めは、それ自体で多数決原則の否定であるとか、株主総会の存在意義を否定するものであるとまで言うことはできないだろう。

よって、(3)の定款規定は違法・無効とまでは言えない。

   

 

 

 

設例8-3の解説は、以上です。

今回のテーマも、詳しめの教科書等でしっかり復習しましょう!!

それでは、また次回!

 

 

 

 

 

設例8-4の解説はこちらです

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