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2021年(令和3年)司法試験の出題分野予想(民法)

 

こんにちは、コポローです。

今日は、令和3年度司法試験(民法)の出題分野について、いくつか予想したいと思います。

 

目次

 

司法試験の出題は、原則として、過去3年程度の過去問(予備試験を含む)と出題分野が重ならないように配慮されているといわれていますので、まず、過去3年程度の出題分野は予想から除外します。

過去の出題分野は下記の通りです(過去問をまだ解いていない人はネタバレを含みますので閲覧注意です)。

 

司法試験の出題動向(出題の趣旨からの抜粋)

令和2年度

設問1は,令和2年4月1日に施行された民法(債権関係)の改正法を踏まえ,契約不適合責任,債務不履行,相殺,債権譲渡等といった民法債権編の複数の制度・規定について,基本的な理解ができているか,その理解を具体的事例における救済手段の検討を通じて適切に展開することができるかを問うもの

設問2は,公道に至るための他の土地の通行権(以下「隣地通行権」という。)の成立要件及び効果に関する基本的知識及び理解を問うとともに,有償の地役権設定契約の解除の可否を地役権設定契約の構造及び解除制度の意義から導き出す論理的思考力を問うもの

 設問3は,夫婦の一方による他方の特有財産の売却の効力を問うものである。夫婦の日常家事の連帯債務(民法第761条)の構造やそれをめぐる議論を正確に理解し展開することができるかを確認し,併せて無権代理の基本的な法律関係及び相続についての基本的な事項の理解を確認するものである

 

平成31年

設問1は,建物新築請負契約に基づき請負人が工事を完了して,注文者所有土地上に建物を完成させたが,引渡しは未了の段階における当該新築建物の所有権の帰属と,所有権の帰属先とされることに伴う責任を問うもの

 設問2は,不動産の賃貸借から将来生ずべき賃料債権の譲渡がされた場合において,譲渡人がその不動産を売却し,賃貸人の地位が新所有者に承継されたときに,将来賃料債権譲渡の効力はその承継後の賃貸借から生ずる賃料債権に及ぶかを問うものであり,基本的事項に関する知識とこれを踏まえた論理的思考力が試されている。

設問3は,いわゆる動機の錯誤による意思表示の無効の要件に関する基本的な理解を問うもの

 

平成30年度

 設問1は,種類債務の特定と危険負担(民法第534条第2項),(狭義の)履行補助者の過失,弁済の提供又は受領遅滞若しくは受領義務違反の効果(債務者の目的物保管義務の軽減およびその軽減後の義務の内容,対価危険の債権者への移転等)等といった債権法の複数の制度・規定について,基本的な理解ができているか,その理解を具体的な事実関係に基づいて各制度・規定の相互の関連性を含めて適切に展開することができるかを問うもの

 設問2は,所有権に基づく妨害排除請求の相手方は現に妨害をしている者であることを前提として,所有権留保売買契約の売主として留保所有権を有する者はこれに当たるか(小問1),仮にこれに当たらないと判断すべきことを前提としたとしても,その者が妨害物となっている自動車を以前所有しており,自己の意思に基づいて登録名義人となった者であって,その自動車を譲渡した後も登録名義人にとどまっている場合は別に考えることができないのか(小問2)を,それぞれ問うもの

設問3は,遺言による財産の処分によって,共同相続人への債務の承継が影響を受けるか否かを問うことを通じて,相続法に関する基本的な知識に基づく事案の分析力や解釈論の展開力を試すものである。

平成29年度

 設問1は,賃借権の取得時効の要件とその成否に対する理解を問うことにより,民法の基本的知識及びそれに基づく論理構成力を問うものである。

設問2は,建物所有を目的とする土地賃貸借契約がされた場合において,賃借人がその土地の上に有する建物を賃貸人の知らないうちに第三者に賃貸したときに,賃借人はその上に建物がある土地部分を無断転貸したこととなり,賃貸人は土地賃貸借契約を民法第612条により解除することができるか(①),土地賃貸借契約の目的物たる土地に含まれるがその上に建物がない部分についてはどうか(②)を問うもの

設問3は,複数筆の土地が建物所有を目的とする1個の賃貸借の目的物とされたが,それらの土地のうちの一部の上にのみ建物があり,その建物につき土地賃借人の所有名義の登記がされている場合に,その登記による賃借権の土地取得者に対する効力は,その上に建物のない別筆の土地にも及ぶかどうか,仮に及ばないときには,土地取得者は所有権に基づいてその建物のない筆の土地の返還を求めることができるかどうかを問うもの。

 

 

予備試験の出題動向(出題の趣旨からの抜粋)

令和2年度
設問1は,高齢者が事理弁識能力を失った後に,その親族が本人の代理人として
契約を締結し,その後に本人の後見人に就職したという事例を題材に無権代理
の後見人就職という論点について問う問題である。無権代理人が後見人に就任した
場合には,無権代理人の本人の地位を相続した場合と同様に,追認拒絶の可否が問
題となり得るが,解答に当たっては,問題の所在を的確に指摘した上で,相続事例
との異同等を踏まえながら,事案に即した論述をすることが求められる。
設問2は,債務者の唯一のめぼしい責任財産である不動産について詐欺による売
買契約が行われた事例を題材として,詐害行為取消権と債権者代位権に関する民法
の規律の基本的知識を問うとともに,取消権の代位行使の可否について論理的な法
的思考ができるのかを問うものである。解答に当たっては,詐害行為取消権と債権
者代位権の要件該当性等について事案に即した検討をするとともに,特に債権者代
位権の行使については,表意者保護のために認められている詐欺取消権等が代位行
使の対象となるか否かについて論理的に分析をすることが求められる。

 

平成31年

 設問1は,同一不動産をめぐって多重の取引がされた事案を題材として,不動産
物権変動の優劣に関する基本的な知識・理解を問うとともに,事案に即した分析能
力や法的思考力を試すものである。解答に当たっては,所有権に基づく物権的返還請求権の各要件を検討する必要があり,特に,抵当権設定と贈与による所有権移転との対抗関係を丁寧に説明することが求められる。また,Cの占有権原の有無については,法定地上権の成否が特に問われるが,その制度趣旨や事案に現れている諸事情を踏まえて検討することが求められる。
設問2は,不動産が10年間以上占有された事案を題材として,取得時効の要件
に関する基本的な知識・理解を問うとともに,取得時効の効果等について,事案に
即した分析能力を試すものである。解答に当たっては,所有権に基づく妨害排除請求権の各要件を検討する必要があるが,短期取得時効の各要件について当てはめを行った上で,取得時効の効果は抵当権の消滅を伴うものであるのか,仮に消滅を伴う場合にはこれを主張するために登記が必要となるのかなどについて論じることが求められる

 

平成30年度

 設問1は,労働災害の事案を題材として安全配慮義務違反を理由とする債務不
履行責任や不法行為責任に関する基本的な知識・理解を問うとともに,債務不履行
に基づく損害賠償と不法行為に基づく損害賠償とでどのような具体的規律の相違が
あるかについて,事案に応じた分析を行う能力を試すものである。請求の根拠に関する解答に当たっては,債務不履行については直接の契約関係にない当事者間における安全配慮義務の成否等に関し,不法行為については注文者・請負人間の使用者責任の成否等に関し,自説を論理的に展開し,事案に応じた当てはめを行うことが求められる。また,有利・不利に関する解答に当たっては,消滅時効,帰責事由や過失の主張立証責任,遅延損害金の起算点等につき,事案に即した評価を行うことが求められる。
設問2は,仮装離婚及びこれに伴う財産分与による責任財産の隠匿について,協
議離婚及び財産分与の有効性に関する基本的な知識・理解を問うとともに,財産分
与の詐害行為該当性や取消しの範囲について,事案に応じた分析を行う能力を試す
ものである。離婚及び財産分与の有効性に関する解答に当たっては,離婚をする意思の意義・内容に関する解釈を展開した上で,離婚の有効性と財産分与の有効性とを論ずることが求められる。また,詐害行為に関する解答に当たっては,財産分与制度の趣旨
を踏まえつつ,最高裁昭和58年12月19日判決・民集37巻10号1532頁も意識して,事案に応じた当てはめを行うことが求められる

 

平成29年度

①不動産の第1譲受人が備えた登記が実体的権利関係に合致しないために第2譲受人の登場を招いたという事案を題材として,第1譲受人が備えた登記の有効性に絡める形で,実体的権利関係に合致しない不動産登記を信頼して取引関係に入った第三者の保護の在り方を問う(設問1)とともに,②不動産の転貸借がされた後,原賃貸借が合意解除された場合に,転貸借がどのように取り扱われるかを踏まえて その際の原賃貸人と転借人との法的関係を問う( 設問2) ものであり ,民法の基本的な知識や,事案に即した分析能力,論理的な思考力があるかを試すものである。

   

令和3年度の出題予想

民法は幅広い分野から出題されているので、満遍なく勉強しておくことが重要ですね。相続法も基本についてはしっかり勉強しておきましょう。

・出題予想としては、消滅時効即時取得、共有、留置権、抵当権の物上代位、譲渡担保、債権者代位権の転用、保証、債権の準占有者弁済(478条)、弁済者代位、組合、不当利得、特殊の不法行為使用者責任工作物責任・共同不法行為)、遺留分減殺請求あたりから出題がありそうです。

・いずれにせよ、その場で考えさせるタイプの問題も少なくないので、各制度趣旨や問題文の状況をしっかり理解したうえで、論理的・合理的な解釈を行うよう心がけましょう!

 

なお、司法試験の出題は、主として学者委員が問題案を持ち寄り、投票・議論等を経て決まります。ですので、学者委員の関心や考え方を知っておくことは有益です。

学者委員のプロフィールや著作等については、下記記事も参考にしてみてください(私の上記出題予想もこれを一定程度踏まえています)。

 

kaishahou.hatenablog.jp
 

本記事がみなさんの参考になれば幸いです。

それではまた!