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2021年(令和3年)司法試験の出題分野予想(憲法)

 

こんにちは、コポローです。

今日は、令和3年度司法試験(憲法)の出題分野について、いくつか予想したいと思います。

 

目次

 

司法試験の出題は、原則として、過去3年程度の過去問(予備試験を含む)と出題分野が重ならないように配慮されているといわれていますので、まず、過去3年程度の出題分野は予想から除外します。

過去の出題分野は下記の通りです(過去問をまだ解いていない人はネタバレを含みますので閲覧注意です)。

 

司法試験の出題動向(出題の趣旨からの抜粋)

令和2年度

本年の問題は,職業の自由及び移動の自由に対する制約の可否を問うものである。
規制①は,生活路線バスを運行する乗合バス事業者にのみ高速路線バスの運行を認めるものであるため,専ら高速路線バスのみを運行してきた乗合バス事業者の職業の自由を制約することになる。同時に,規制①は,生活路線バスへの新規参入について,既存の生活路線バスを運行する乗合バス事業者の経営の安定を害さない場合に限り,認めるものとしている。
また,規制②は,特定の渋滞区域について,域外からの自家用車の乗り入れを原則として禁止するものであるため,当該区域の住民以外の者の移動の自由を制約することになる。

 

平成31年

本年の問題は,虚偽の表現の規制の可否を問うものである。問題文にもあるとおり,また,報道などでも知られるとおり,フェイク・ニュースは,各国で様々な課題を生じ,対応が模索されている現代的な問題であり,新たな技術的な展開が事態を深刻化させている側面がある現象である。しかし,その規制は,内容規制という古典的な表現の自由の問題であり,また,本問の規制は,表現の削除という強力な制限の問題でもある。表現の自由の保障の意義という基本に立ち返った検討が求められる

 

平成30年度

全国都道府県では,青少年の健全育成を目的とした図書類の販売等に関する規制が行われている。本問は,そのような目的にとどまらず,一般市民がむやみに羞恥心等を覚えるような卑わいな画像等に触れることがないようにして性風俗にかかる善良な市民の価値観を尊重するという観点も併せ,健全で文化的な環境を保持するという目的のために種々の規制を行う架空の条例案について,その合憲性の検討を求めるものである。従来は,訴訟の場面を想定し,当事者の主張等において憲法論を展開することを求める出題が通例であったが,実務的には,必ずしも訴訟の場面に限られず,法令を立案する段階においても法律家としての知見が必要であることから,そのような場面で憲法論をどのように活用,展開するかを問う出題とした。

平成29年度

今年度は,いわゆる外国人非熟練労働者の入国・在留を認める架空立法を素材に,外国人の人権保障に関するいくつかの問題を問うこととした。基本判例や学説に関する適切な理解や初見の条文の正確な読解を前提に,具体的な事案に即して的確な憲法論を展開することができるかどうかが問われる。
本問での主な論点は,問題文にもヒントがあるように,①妊娠・出産(以下「妊娠等」という。)を滞在の際の禁止事項とし,違反があった場合には強制出国させることが,自己決定権(憲法第13条)の侵害ではないか,②令状等なくして収容を認めることが人身の自由や適正な手続的処遇を受ける権利(根拠条文は立場によるが,憲法第13条,第31条,第33条等。)を侵害するのではないか,ということである。

 

 

 予備試験の出題動向(出題の趣旨からの抜粋)

令和2年度

本問は,犯罪被害者等の私生活の平穏の確保を目的とする取材の自由の制限につ
いて,その憲法適合性を問うものである。取材の自由を,関連判例も参照しつつ,
表現の自由との関係で適切に位置付けた上で,その制約の憲法適合性に関する判断
枠組みを的確に定立し,本問の立法が憲法に適合するか否かについて,その目的と
手段を評価して判断することが求められる。

平成31年

本問では,主として①信教の自由に基づく一般的な義務の免除の可否,②代替措
置を講じることの政教分離原則との関係など具体的な検討が問題となるほか,③教
育を受ける権利,④外国人の人権享有主体性や未成年者の人権等の論点が含まれる。
判例としては,剣道受講拒否事件最高裁判所第二小法廷平成8年3月8日判決,
民集50巻3号469頁)を意識することが求められる。もっとも,事案には異な
るところが少なくないので,直接参考になるとは限らず,同事件との異同を意識し
つつ,事案に即した検討が必要である。

 

平成30年度

 本問は,地方議会の内部における紛争について,①その法律上の争訟性を論じた
上で,②陳謝の懲罰(処分1)を科すことがXの良心の自由を侵害し,憲法第19
条に反しないか,③処分1に従わなかったことを理由とする除名の懲罰(処分2)
を科すことが,Xの議員としての活動の自由を侵害し,憲法第21条に反しないか
を論ずることを求める問題である。①については,地方議会における除名処分が司
法審査の対象となることを示した最高裁判例最高裁昭和35年10月19日大法
廷判決,民集第14巻第12号2633頁等)を踏まえて検討することが求められ
る。②は,最高裁判例謝罪広告事件最高裁昭和31年7月4日大法廷判決,民
集第10巻7号785頁)を参照しながら,本問における事情の下で,Xの良心の
自由を侵害するものであるかを論ずる必要があろう。③は,地方議会の議員として
の活動の自由が憲法第21条で保障されるかを論じた上で,議会における発言を理
由として科された処分1に従わなかったことを理由として,議員としての身分を剥
奪する処分2が科されたことについて,その合憲性を検討することが求められる。
②・③については,いずれも,地方議会に自律権として認められている懲罰権を意
識しながら論ずることが重要である。

 

平成29年度

 本問は,架空の条例を素材に,憲法上の財産権保障(憲法第29条)についての
理解を問うものである。本件条例は,Xのブランド価値を維持し,Xの生産者を保護する目的で,生産量が増大し,Xの価格を適正に維持できる最大許容生産量を超えるときに,A県知事は,全ての生産者に対し,全生産量に占める最大許容生産量の超過分の割合と同じ割合で,収穫されたXの廃棄を命じることとしている。まず,このような措置を定める本件条例が,憲法第29条第1項で保障される財産権を侵害する違憲なもので
あるかを論じる必要がある。その際,本件条例の趣旨・目的と,それを達成するための手段の双方について,森林法違憲判決最高裁昭和62年4月22日大法廷判決,民集41巻3号408頁)及び証券取引法判決最高裁平成14年2月13日大法廷判決 民集56巻2号331頁 などを参照しながら 検討する必要がある ) 。特に,規制手段については,甲のように,平年並みの生産高となった者や,天候状況に左右されず一定量を生産することが可能な者が存在することを念頭に置きつつ,その合理性・必要性について考察することが求められるであろう。
次に,本件条例では,Xの廃棄に起因する損失については補償をしないとされて
いるが,それが,憲法上の損失補償請求権(憲法第29条第3項)を侵害する違憲
なものであるかを論じる必要がある。この場合,①本件条例が一般的に損失補償規
定を置いていないことの合憲性と,②仮に一般的に損失補償規定を置いていないこ
とが合憲であるとしても,甲の事情が,損失補償が認められるべき「特別の犠牲」
に該当し,損失補償請求権を侵害すると主張しうるか,という二つの論点がある。
これらについて,河川附近地制限令事件最高裁昭和43年11月27日大法廷判
決,刑集22巻12号1402頁)などを参照しながら,検討することが求められ
る。

   

令和3年度の出題予想

・出題予想としては、プライバシー権・通信の秘密、平等権(14条)、学問の自由、集会・結社の自由、参政権選挙制度・政党、生存権条例制定権の限界あたりから出題がありそうです。

・いずれにせよ、その場で考えさせるタイプの問題になるので、各権利の趣旨、重要判例の内容、および問題文の状況をしっかり理解したうえで、論理的・合理的な解釈を行うよう心がけましょう!

 

なお、司法試験の出題は、主として学者委員が問題案を持ち寄り、投票・議論等を経て決まります。ですので、学者委員の関心や考え方を知っておくことは有益です。

学者委員のプロフィールや著作等については、下記記事も参考にしてみてください(私の上記出題予想もこれを一定程度踏まえています)。

kaishahou.hatenablog.jp

 

 

本記事がみなさんの参考になれば幸いです。

それではまた!