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2021年(令和3年)司法試験の出題分野予想(民事訴訟法)

 

こんにちは、コポローです。

今日は、令和3年度司法試験(民事訴訟法)の出題分野について、いくつか予想したいと思います。

 

目次

 

司法試験の出題は、原則として、過去3年程度の過去問(予備試験を含む)と出題分野が重ならないように配慮されているといわれていますので、まず、過去3年程度の出題分野は予想から除外します。

過去の出題分野は下記の通りです(過去問をまだ解いていない人はネタバレを含みますので閲覧注意です)。

 

司法試験の出題動向(出題の趣旨からの抜粋)

令和2年度

 本問は,XとAとの建物(以下「本件建物」という。)の賃貸借(以下この賃貸借に係る契約を「本件契約」という。)の継続中,賃借人であるAが死亡し,Y1及びY2(以下「Yら」という。)がAを相続したところ,XがYらに対してAとの間で本件契約の解約の合意をしたと主張している事案を題材として,①敷金に関する将来給付の訴えの適法性及び確認の訴えにおける確認の利益の検討(設問1),②和解手続における当事者の発言の内容を裁判官が心証形成の資料とすることができない理由の検討(設問2),③本問の共同訴訟(以下「本件訴訟」という。)において共同被告の一方に対する訴えを取り下げることの可否と,仮にそれができるとする場合に取下げにより当事者ではなくなった者が取下げの前に提出して取り調べられた証拠の証拠調べの結果を事実認定に用いることができるかどうかの検討(設問3)をそれぞれ求めるものである。

 

平成31年

 本問は,会社員Xが,全国展開している業者Yから購入したキャンピングカーが契約どおりの仕様を有していなかったことを理由として,履行遅滞による売買契約の解除に基づく原状回復としての売買代金の返還と債務不履行に基づく損害賠償をYに求めるという事案を題材として,管轄に関する合意が存在し,それを専属的管轄合意と解釈した場合には管轄を有しないことになる裁判所に訴えを提起したことを前提に,民事訴訟法(以下「法」という。)第16条第1項による移送をすべきではないとの立論をすること(設問1)②原告が主張する特定の事実を認める旨の被告の陳述が裁判上の自白に該当して自由に撤回することができなくなるかを検討すること(設問2),③作成者が死亡しその相続人が所持するに至った日記を対象とする文書提出義務の成否を判断するためにどのような観点からどのような事項を考慮すべきかを検討すること(設問3),を求めるものである。

 

平成30年度

本問は,Aが,Bが運転するタクシーとCが運転する自動車との衝突事故(本件事故)によって負傷したという事例を基本的な題材として,BがAを被告として150万円を超える損害賠償債務の不存在確認の訴えを提起し,その訴訟が係属した後,AがB及びCを被告として提起する損害賠償請求の訴えが適法であるとする立論をすること(設問1)②Aを原告,B及びCを被告とする損害賠償請求訴訟において,Bが,病院開設者である法人Dを所持者としてAの診療記録について文書提出命令を申し立てた場合に,Dに文書提出義務があるとする立論をすること(設問2),③当該訴訟の第一審判決においてAのCに対する請求が棄却された場合に,Bが,Aのために補助参加の申出をするとともに,Aを控訴人,Cを被控訴人として提起した控訴が適法かどうかを論ずること(設問3)をそれぞれ求めるものである。

 

平成29年度

本問は,Xが贈与契約に基づき本件絵画の引渡しを求めたのに対し,Yがその取引は時価相当額を代金額とする売買契約であってその額は300万円であると主張したという紛争を基本的な題材として,①当事者が代理人による契約締結の事実を主張していない中で,証拠上その事実の心証が得られた場合において,その事実を判決の基礎にすることができるか(設問1)[※弁論主義②裁判所として200万円と引換えに本件絵画の引渡しを命ずる判決をするためには,当事者からどのような申立てや主張がされる必要があるか(設問2⑴)[※権利抗弁,また,そのような申立てや主張がされたという前提の下で,220万円又は180万円との引換給付判決をすることができるか(設問2⑵)③引換給付判決のうち反対給付に係る部分の裁判所の判断が後訴に対して何らかの拘束力を有するか(設問3)[※既判力、信義則に関して,検討することを求めるものである。

 

 予備試験の出題動向(出題の趣旨からの抜粋)

令和2年度

 設問1は,金額を明示しない債務不存在確認の訴え(本訴)が提起されて係属中
に,反訴として当該債務に係る給付の訴えが提起された場合における債務不存在確
認の訴えの訴訟物及び既判力に関する理解を問う問題である。具体的には,まず,
金額を明示しない債務不存在確認の訴えの適法性が問われ,さらに,債務不存在確
認の訴えにおいて給付訴訟の反訴がなされた場合の確認の利益に関する判例の立場
を念頭に置きつつ,反訴が明示的一部請求訴訟であることを踏まえた上で,本問の
事案における本訴の帰すうについて,その判決に生ずる既判力の点も含め,検討さ
れているかを問うものである。
設問2は,設問1での既判力の生ずる範囲を前提として,被告の前訴の反訴請求
が一部請求であったことから,残部を後訴で請求した場合に後訴請求を基礎付ける
論拠が問題となる。前訴における本訴・反訴それぞれの判決について生じる既判力
を理解した上で,本問で問題となる交通事故事案の不法行為訴訟の特質を踏まえ,
残部請求や後遺症による損害の追加請求に関する判例の論理構成に言及しつつ,残
部請求の可否について説得的に論述し,本問の具体的事案に当てはめた検討をする
ことができるかが問われている。

 

平成31年
本問は,当事者に生じた事情変更に関する諸問題についての理解を問うものである。そして,具体的な事実関係を的確に読み込み,一方当事者側(本問では原告側)から問題を処理し得る理論構成ができるかを評価するものである。
設問1では,訴え提起後訴訟係属前に共同原告の一人が死亡してしまった場合に,残った原告側の対応が問題となっている。具体的には,判例の立場では固有必要的共同訴訟とされる本件共同訴訟の性質を踏まえつつ,原告側での死者名義訴訟の処理について検討することが求められている。
設問2は,前訴判決の既判力を第三者に拡張できるかを問うものである。問題文では,原告らが売買を理由とする土地の移転登記手続を求めていた前訴の口頭弁論終結前に登記が被告から第三者に移転しており,その移転を原告らが知り得ないまま,原告ら勝訴判決を得て,それが確定した。その後,原告らが当該第三者への登記移転の事実を知り,当該第三者に対して所有権移転登記請求訴訟を提起した場合に,前訴判決の既判力が当該第三者に及ぶとする(原告ら側からの)理論構成を問うものである。主に,民事訴訟法第115条第1項第4号(目的物の所持者)の類推適用可能性が問われている

 

平成30年度
本問は,絵画の売買がされ残代金が未払であるところ,買主が法人の代表者個人か法人のどちらかであるかが問題となっている場合に,いわゆる両負けを避けるために原告として取るべき手段を問うものである。設問1では,いずれをも被告とする場合の手段の可否が問われている。念頭に置かれているのは,単純併合,同時審判申出共同訴訟及び主観的予備的併合である。これに対し,設問2では,一方のみを被告とした場合で訴訟告知をしたものの補助参加がされないとき,後訴で前訴の判決の効力を用いることができるかが問われている。主として補助参加の利益及び参加的効力の客観的範囲を論じることが必要である設問3では,双方を個々に訴えたのちに弁論が併合された後の弁論の分離について問われている。いずれの設問も,事案に即して,かつ,各設問における論述同士の整合性に注意を払いつつ論じる必要がある

 

平成29年度

 設問1は 将来にわたり継続的に発生する不当利得の返還を求める訴えに関して , ,
将来の給付の訴えと現在の給付の訴えとの区別の基準及び将来の給付の訴えの利益
の判断要件等について問うものである。特に,将来の給付の訴えについての民事訴
訟法第135条の趣旨に触れつつ,将来の給付の訴えの利益の判断要件について関
連する最高裁昭和56年12月16日大法廷判決・民集35巻10号1369頁等
にも言及しながら自説を展開した上で,本件事案における具体的な事実関係を踏ま
えた当てはめが求められている。
設問2は,不当利得返還請求訴訟において,被告から相殺の抗弁が提出された場
合において,その自働債権の一部の存在が認められて受働債権の一部と相殺され,
一部認容判決がされたときに,自働債権に関してどの範囲で既判力が生ずるのか等
について問うものである。既判力の根拠規定である民事訴訟法第114条の趣旨を
踏まえつつ,例外的に相殺に既判力を認めた同条第2項の「相殺をもって対抗した
額」についての解釈論を展開することが求められている。また,既判力が自働債権
の全体には生じないとの見解を採用した場合にも,そのような結論が後訴における
不当な蒸し返しを招かないかについて検討をし,自説を展開することが求められて
いる

 

令和3年度の出題分野予想

・出題予想としては、そろそろ当事者の確定、当事者適格、独立当事者参加、控訴(不利益変更禁止の原則など)あたりから出題がありそうです。また、弁論主義、既判力、文書提出義務、共同訴訟、補助参加に関する問題も、ここ数年の問題と異なる観点で出題される可能性が十分あると思います。

・いずれにせよ、細かい論点が出題されることもあり、その場で考えさせるタイプの問題になるので、各制度や条文の趣旨、重要判例の内容を理解したうえで、問題文の状況をしっかり読み込み、事案に即した論理的・合理的な解釈・あてはめを行うよう心がけましょう!

 

なお、司法試験の出題は、主として学者委員が問題案を持ち寄り、投票・議論等を経て決まります。ですので、学者委員の関心や考え方を知っておくことは有益です。

学者委員のプロフィールや著作等については、下記記事も参考にしてみてください(私の上記出題予想もこれを一定程度踏まえています)。

kaishahou.hatenablog.jp

 


 

本記事がみなさんの参考になれば幸いです。

それではまた!