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2021年(令和3年)予備試験の出題分野予想(刑法)

 

こんにちは、コポローです。

令和3年度予備試験(刑法)の出題分野について、いくつか予想したいと思います。



目次

 

予備試験の出題は、原則として、過去3年程度の過去問(司法試験を含む)と出題分野が重ならないように配慮されているといわれていますので、まず、過去3年程度の出題分野は予想から除外します。

過去の出題分野は下記の通りです(過去問をまだ解いていない人はネタバレを含みますので閲覧注意です)。

   

司法試験の出題動向(出題の趣旨からの抜粋)

令和3年度

※出題の趣旨が公表されていないため、私および予備校等の理解に基づきます。

設問1

・甲:強盗罪の成否(強取の要件)、窃盗罪の成否

・乙:共同正犯の成否(共犯と錯誤の論点)

・丙:窃盗罪か業務上横領罪か(丙の占有の有無)

・丁:盗品等保管罪(途中で認識した場合)

 

設問2

・因果関係と同時傷害の特例

共謀の射程(ないし共犯からの離脱)、結果的加重犯

 

 

令和2年度

本問は,設問1で,甲がAから依頼されたBに対する貸金債権(以下「本件債権」という。)の回収に際し,その金額は500万円であるのに,600万円であると水増ししつつ,自身が暴力団組員であると装うなどしてBを畏怖させ,D銀行E支店に開設された甲名義の預金口座(以下「本件甲口座」という。)に600万円を送金させた行為について甲に成立する財産犯に関し,被害額が600万円になるとの立場と100万円になるとの立場のそれぞれの理論構成を検討させた上,甲に成立する財産犯について検討させ[※恐喝罪と詐欺罪の区別、および1項犯罪か2項犯罪か],設問2で,甲がワインに混入した睡眠薬をAが摂取して死亡したことについて,甲について殺人既遂罪の成立要件は満たされず,同罪は成立しないとの結論も考えられるところ,同結論の根拠となり得る具体的な事実を3つ挙げさせた上,同結論を導く理由を事実ごとに簡潔に示させ[※実行行為、因果関係、故意(殺意),さらに,設問3で,甲が同支店窓口係員Fに本件甲口座から600万円の払戻しを請求し,同額の払戻しを受けた行為について1項詐欺罪の成否を,甲がCに対する借金返済のため同600万円の払戻しを受け,これをCに渡して費消した行為について横領罪の成否を,甲がAに対する500万円の返還を免れるため睡眠薬を混入したワインをAに飲ませて眠り込ませ,その睡眠薬の影響によりAの心臓疾患を悪化させ,心不全でAを死亡させた行為について2項強盗殺人罪の成否[※早すぎた構成要件の実現を,甲が同ワインをAに飲ませた後,A方で発見した腕時計を奪取した行為について成立する財産犯を,それぞれ検討させ,それにより,刑事実体法及びその解釈論の知識と理解を問うとともに,具体的な事実関係を分析し,その事実に法規範を適用する能力並びに論理的な思考力及び論述力を試すものである。

 

平成31年

本問は,設問1で,甲が,Aから受け取ったA名義の普通預金口座のキャッシュカード及び同口座の暗証番号を記載したメモ紙(以下「本件キャッシュカード等」という。)在中の封筒を,キャッシュカードと同じ形状のプラスチックカードを入れた封筒(以下「ダミー封筒」という。)にすり替えて取得した行為について,窃盗罪若しくは詐欺罪の成否を検討させ,設問2で,乙が,甲が窃盗を行ったと認識しながら,店員Cに財物を取り戻されることを防ぐため,甲との間でCの反抗を抑圧することを共謀した上,Cに対してナイフを示して脅した行為について,事後強盗の罪の共同正犯が成立するとの立場と脅迫罪の限度で共同正犯が成立するとの立場の各理論構成を検討させた上,自説の立場を示させ[※身分犯と共犯、承継的共犯],さらに,設問3で,丙が,甲からナイフの刃先を胸元に突き付けられていたDを助けるため,間近にあったボトルワインを甲に向かって投げ付けたが,その狙いが外れ,ボトルワインがDの頭部に直撃し,Dに傷害を負わせた行為について,Dの傷害結果に関する刑事責任を負わないとする理論上の説明とその難点を検討させる[※方法の錯誤、正当防衛・誤想防衛、緊急避難ものであり,それにより,刑事実体法及びその解釈論の知識と理解を問うとともに,具体的な事実関係を分析し,その事実に法規範を適用する能力並びに論理的な思考力及び論述力を試すものである。

 

平成30年度

本問は,⑴設問1で,A高校のPTA会長である乙が,同高校のPTA役員会において,「2年生の数学を担当する教員(丙)がうちの子(甲)の顔を殴った。徹底的に調査すべきである。」と発言した行為について,名誉毀損罪の成否を検討させ,⑵設問2で,夜間の町外れの山道脇の駐車場において,負傷して倒れていた父親の乙を救助しなかった甲の不作為について,殺人未遂罪及び保護責任者遺棄等罪が成立すると主張する上での各理論構成を検討させ,さらに,⑶設問3で,同所において,甲とは無関係の丁が負傷して倒れていた場合に,その丁を救助しなかった甲の不作為について,殺人未遂罪が成立すると主張する上での理論構成を検討させる[※実行行為性、客体の錯誤ことにより,刑事実体法及びその解釈論の知識と理解を問うとともに,具体的な事実関係を分析し,その事実に法規範を適用する能力並びに論理的な思考力及び論述力を試すものである。

平成29年度

本問は,⑴甲が,Aから,B信販会社が発行したA名義のクレジットカード(以下「本件クレジットカード」という。)について,腕時計Xを購入するためだけに利用することを条件として借りたところ,その条件に反することを認識しつつ,時計店店主Cに対し,腕時計Xと腕時計Yの購入を申し込み,本件クレジットカードを手渡した上,売上票用紙にAの名前を記入して手渡し,腕時計Xと腕時計Yを購入したこと[※①詐欺罪(刑法第246条)の成否,②有印私文書偽造罪及び同行使罪(同法第159条第1項,同法第161条第1項)の成否,③背任罪(同法第247条)又は横領罪(同法第252条第1項)の成否],⑵甲と乙が,Aが甲の顔面を殴ろうとしてきたのを防ぐため,正面からAに体当たりし,路上に仰向けに倒れているAを押さえ付けるなどし,更に乙が右手に持った石でAの顔面を1発殴り,Aに全治約1か月間を要する鼻骨骨折の傷害を負わせたこと[※①傷害罪(刑法第204条)の構成要件該当性及び共同正犯の成否,②正当防衛ないし過剰防衛の成否(同法第36条)],⑶甲と乙が,失神したAの様子を見てAが死亡したと思い,Aが強盗に襲われて死んだように見せ掛けようと考え,Aのズボンのポケットから財布1個を持ち去ったことなどを内容とする事例について[※①窃盗罪(刑法第235条)の客観的構成要件該当性,②死者の占有,③不法領得の意思,④共同正犯の成否(同法第60条)],甲及び乙の罪責を検討させることにより,刑事実体法及びその解釈論の知識と理解を問うとともに,具体的な事実関係を分析し,その事実に法規範を適用する能力並びに論理的な思考力及び論述力を試すものである。

 

 

 予備試験の出題動向(出題の趣旨からの抜粋)

令和2年度

本問は,甲が,⑴本件居室の賃貸借契約締結に際し,その契約書の賃借人欄に変更後の氏名ではなく変更前の氏名を記入するなどした上,同契約書をBに渡したこと,⑵その際,Bに対し,自己が暴力団員であることを告げず,本件居室の使用目的がA宅の監視目的であることを秘しつつ,Bとの間で同契約を締結し,本件居室の賃借権を取得したこと,⑶丙の顔面を拳で殴って丙を転倒させ,丙に急性硬膜下血腫の傷害を負わせ,さらに,丙の腹部を足で蹴って丙に腹部打撲の傷害を負わせ,丙を同急性硬膜下血腫の傷害により死亡させたことを内容とする事例について,甲の罪責に関する論述を求めるものである。
⑴については,有印私文書偽造罪・同行使罪の成否が問題になるところ,前者については,客観的構成要件要素である「偽造」の意義を示した上で,変更前の氏名は,甲が自営していた人材派遣業や日常生活で専ら使用していたものであることを踏まえつつ,前記契約書の性質に照らし,名義人と作成者との人格の同一性に齟齬が生じたといえるのか否かを検討する必要がある。
⑵については,2項詐欺罪の成否が問題になるところ,主に論ずべき点として,客観的構成要件要素である「人を欺く行為」(欺罔行為)の意義を示した上で,甲には家賃等必要な費用を支払う意思も資力もあったことを踏まえつつ,甲の属性(暴力団員であるか否か)や,本件居室の使用目的(暴力団と関係する活動か否か)が,前記契約締結の判断の基礎となる重要な事項といえるか否かを検討する必要がある。
⑶については,甲は,丙が取り出したスマートフォンをスタンガンと勘違いして,これで攻撃されると思い込みながら,自己の身を守るため,第1暴行(丙の顔面を殴る行為)を行っていることから,誤想防衛又は誤想過剰防衛の処理が問題になるところ,甲は,丙が意識を失っていることを認識したのに,丙に対する怒りから,第2暴行(丙の腹部を蹴る行為)を行い,丙に腹部打撲の傷害を負わせているため,第1暴行と第2暴行の関係を踏まえつつ,その擬律を判断する必要がある。

平成31年

本問は,甲が,(1)Vから本件土地に対する抵当権設定の代理権しか付与されていなかったのに,Aに本件土地を売る旨の売買契約書2部に「V代理人甲」と署名した上,その内容をAに確認させるなどしたこと,(2)Vに無断で本件土地の売買契約をAと締結したこと,(3)(2)に関して,逮捕を免れるなどのために,Vを殺害してその死体を海中に捨てることを計画し,実際にVの首を絞めたが,それにより失神したVが死亡したものと軽信し,その状態のVを海に落とし溺死させたことを内容とする事例について,甲の罪責に関する論述を求めるものである。
(1)については,本件土地の売買契約書の作成権限が与えられていなかった甲に
よる同契約書の作成が代理権限の逸脱に当たることを前提に,有印私文書偽造罪・
同行使罪の成否について,文書の名義人に関する擬律判断を含め,その構成要件該
当性を検討する必要がある。
また,(2)については,主に論ずべき点として,横領罪と背任罪の関係を踏まえて,本件土地に関する(横領罪における)占有が甲に認められるか,それが認められるとした場合に甲の行為が「横領」と評価できるか(既遂時期),仮に横領罪の成立が否定された場合に背任罪の成否を検討すべきかについて,本事例における事実関係を基に検討する必要がある。
(3)については,行為者が第1行為(Vの首を絞める行為)により死亡結果が発生すると予見していたのに,実際は結果が発生せず,第2行為(失神したVを海に落とした行為)により死亡結果が発生した場合(いわゆる遅すぎた構成要件の実現)の殺人既遂罪の成否に関し,第1行為と死亡結果との因果関係の有無及び因果関係の錯誤の処理,並びに,第2行為の擬律(抽象的事実の錯誤,過失致死罪の成否)について,また,第1行為と第2行為を1個の行為(一連の実行行為)と捉えた場合は,1個の行為と評価する根拠について,それぞれ検討する必要がある。
 

平成30年度

 本問は,⑴甲が,Vから投資のための前渡金として預かった現金500万円を,Vとの約定により甲名義の定期預金口座に預け入れて保管していたところ,Vに無断で前記定期預金を解約し,その払戻金を自らの借入金の返済に充てて流用したこと,⑵その後,Vから前記500万円の返還を迫られた甲が乙と共にV方を訪れ,各々手に持ったサバイバルナイフをVの目の前に示したり,乙がVの胸倉をつかんでVの喉元に同ナイフの刃先を突き付けたりして,「甲とVの間には一切の債権債務関係はない」という内容の念書をVに無理矢理作成させたこと,⑶その際,乙がVに迷惑料として10万円の支払を要求したところ,甲は,これを制止し,乙をV方から外へ連れ出した上,同ナイフを取り上げて立ち去ったものの,その直後に乙がV方内に戻り,Vの下から現金10万円を持ち去ったことを内容とする事例について,甲及び乙の罪責に関する論述を求めるものである。
⑴については,甲には銀行に対する正当な払戻権限があることを踏まえて,甲における現金500万円に対する横領罪の成否について,預金の占有に関する擬律判断を含め,その構成要件該当性を検討し,⑵及び⑶については,甲及び乙における念書及び現金10万円に対する強盗罪の成否について,各構成要件該当性のほか,甲・乙間における共謀に基づく共同正犯の成立範囲や共犯関係の解消の有無を検討する必要があるところ,事実を的確に分析するとともに,横領罪及び強盗罪の各構成要件,共犯者による過剰行為がなされた場合の共同正犯の成否等に関する基本的理解と具体的事例への当てはめが論理的一貫性を保って行われていることが求められる。

 

平成29年度

 本問は,⑴医師甲が,劇薬Xを混入したワインをVに飲ませてVを殺害しようと考え,劇薬Xをワインの入った瓶に注入し,同瓶をV宅宛に宅配便で送ったが,V宅が留守であったため,Vが同瓶を受け取ることはなかったこと(Vの心臓には特異な疾患があり,そのことを甲は知っていた。また,劇薬Xの致死量は10ミリリットルであり,甲は致死量を4ミリリットルと勘違いしていたところ,Vを確実に殺害するため,8ミリリットルの劇薬Xを同瓶に注入したが,Vがその全量を摂取した場合,死亡する危険があった ,⑵甲が,Vに劇薬Yを注射してVを殺害しよう)と考え,医師乙に6ミリリットルの劇薬Yを渡してVに注射させたところ,Vが痛がったため,3ミリリットルを注射したところで注射をやめたが,Vは劇薬Yの影響により心臓発作を起こし,急性心不全により死亡したこと(乙は,甲から渡された容器に薬剤名の記載がないことに気付いたが,その中身を確認せずにVに劇薬Yを注射した。また,甲は,劇薬Yの致死量が6ミリリットルであること,心臓に特異な疾患があるVに3ミリリットルの劇薬Yを注射すれば,Vが死亡する危険があることを知っていたが,乙は,Vの心臓に特異な疾患があることを知らなかった。)⑶公務員ではない医師乙が,専ら甲のために虚偽の死因を記載したVの死亡診断書を作成し,Vの母親Dを介して,同死亡診断書をC市役所に提出したことを内容とする事例について,甲及び乙の罪責に関する論述を求めるものである。
甲の罪責については,殺人未遂罪又は殺人予備罪,殺人罪の成否を,乙の罪責に
ついては,業務上過失致死罪,虚偽診断書作成罪及び同行使罪,証拠隠滅罪,犯人
隠避罪の成否を検討する必要があるところ,事実を的確に分析するとともに,各罪
の構成要件,離隔犯における実行の着手時期未遂犯と不能犯の区別又は予備行為
の危険性,間接正犯の成否,因果関係の有無に関する基本的理解と事例への当て
はめが論理的一貫性を保って行われていることが求められる。 

令和3年度の出題分野予想

・出題予想としては、過失犯被害者の同意、原因において自由な行為、中止犯、放火罪、業務妨害罪、住居侵入罪収賄からの出題がありそうです。

また、財産犯に関する何らかの論点、共犯に関する何らかの論点は過去の傾向からして非常に高い確率で出そうです。

・いずれにせよ、その場で考えさせるタイプの問題になるので、各犯罪の保護法益、各要件の趣旨、重要判例の内容、および問題文の状況をしっかり理解したうえで、論理的・合理的な解釈を行うよう心がけましょう!

また、刑法では(他の科目以上に)重要なポイントを押さえてメリハリのある答案を書くことが重要です。

    

今回の記事は以上です。

他の科目の出題予想は下記記事をご覧ください。 

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