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司法試験(令和3年刑法)の採点実感をネタバレなしの範囲で抜粋してみました!

 

こんにちは、コポローです。

司法試験受験生はもちろん、予備試験受験生にとっても、司法試験の「出題の趣旨」や「採点実感」は、非常に有益です。

 

司法試験の過去問を解く前の段階であっても、参考になるため、読んでほしいのですが、面倒だったり、ネタバレ等の懸念もあるので、なかなか読む人は少ないと思います。

 

そこで、今回は、ネタバレのない範囲で、司法試験(令和3年刑法)の「採点実感」から有益な記載を抜粋し、まとめてみました(ネタバレの懸念のある部分は○○○などと伏せたり、省略しています)!!

とくに重要な部分は太字にしたり、アンダーラインを引きましたので、是非、参考にしてみてください!!

 

採点方針

本問では,具体的事例について,甲,乙,丙及び丁の罪責や,その理論構成,一定の結論を導くための説明やそれに対する反論を問うことにより,刑法総論・各論の基本的な知識と問題点についての理解,事実関係を的確に分析・評価し,具体的事実に法規範を適用する能力,対立する複数の立場から論点を検討する能力,結論の妥当性や,その導出過程の論理性,論述力等を総合的に評価することを基本方針として採点に当たった。


いずれの設問の論述においても,各設問の内容に応じ,各事例の事実関係を法的に分析した上で,事案の解決に必要な範囲で法解釈論を展開し,問題文に現れた事実を具体的に摘示しつつ法規範に当てはめて適切な理論構成の下に妥当な結論を導くこと,その導出過程が論理性を保持していることが求められる。


特に,本問は事実関係が必ずしも単純でないため,細部の事実にとらわれすぎることなく,事案の全体像を正確に把握した上で,論じるべき内容を適切に選別,整理し,それをバランスよく答案構成に反映させることが必要である。

 

採点実感等
各考査委員から寄せられた意見や感想をまとめると,以下のとおりである。

全体について
本問では,前述のとおり,事案の全体像を正確に把握した上で,論じるべき内容を適切に選別,整理し,バランスよく論じる必要があったが,後述するように,事案の全体像を十分に把握せず,個々の事実の法的評価を誤っている答案や,必ずしも論じる必要がない論点等を長々と論じる答案が相当数見られた。

 

また,規範定立部分については,論証パターンの書き写しに終始しているのではないかと思われるものが多く,中には,本問を論じる上で必要のない点についてまで論証パターンの一環として記述を行うものもあったほか,論述として,表面的にはそれらしい言葉を用いているものの,論点の正確な理解ができていないのではないかと不安を覚える答案が目に付いた。


また,規範定立と当てはめを明確に区別することなく,問題文に現れた事実を抜き出しただけで,その事実が持つ法的意味を特段論じずに結論を記載する答案も少なからず見られた。これは,論点の正確な理解とも関係するところであり,一定の事実がいかなる法的意味を有するかを意識しつつ,結論に至るまでの法的思考過程を論理的に的確に示すことが求められる。

 

共同正犯の場合の答案の書き方

甲と丙は共同して実行行為を分担しているのであり,これが両者の事前の話し合いに基づいて行われた以上,両名が共同正犯の罪責を負うことは当然であるのに,甲及び丙について,両者の具体的な役割・関係性等や共同正犯の正犯性の根拠について長々と論ずるものが散見された

後述のとおり,実行行為を分担していない乙とは論ずべき内容はおのずから異なるのであって,甲と丙が実行行為を共同実行しているが,乙は実行行為を分担していないという事実関係を踏まえた,メリハリのある論述が望ましいところであった。
また,甲と丙については,一括した検討が可能であるにもかかわらず,両名を個別に検討した結果,一貫性を欠いたり,記述内容が大幅に重複して冗長となったりした答案も目に付いた。 

 

その他
例年指摘している点でもあるが,用語の間違いがある答案や,文字が乱雑で判読しづらい答案,基本的用語の漢字に誤記がある答案が散見された。

また,文章の補足・訂正に当たって,極めて細かい文字で挿入がなされる答案も相当数あった。時間的に余裕がないことは承知しているところであるが,採点者において解読が不能な記載箇所は採点対象にできない可能性がある点に十分に留意して,大きめで読
みやすい丁寧な文字で書くことが望まれる。 

 

 

答案の水準
以上を前提に,「優秀」「良好」「一応の水準」「不良」と認められる答案の水準を示すと,以下のとおりである。


「優秀」と認められる答案とは,各設問に関係する事実関係を的確に分析した上で,各設問の出題の趣旨や採点方針に示された主要な問題点について検討を加え,成否が問題となる犯罪の構成要件要素等について正確に論述するとともに,必要に応じて法解釈論を展開し,問題文に現れた事実を具体的に指摘して当てはめを行い,設問ごとに求められている罪責や理論構成について論理的に矛盾のない論述がなされている答案である。


「良好」と認められる答案とは,各設問の出題の趣旨及び前記採点方針に示された主要な問題点について指摘し,それぞれの罪責について論理的に矛盾せずに妥当な結論等を導くことができているものの,一部の問題点について検討を欠くもの,その理論構成において,主要な問題点の検討において,理解が一部不正確であったり,必要な法解釈論の展開がやや不十分であったり,必要な事実の抽出やその意味付けが部分的に不足していると認められるものである。


「一応の水準」と認められる答案とは,事案の分析が不十分であったり,各設問の出題の趣旨及び前記採点の方針に示された主要な問題点について一部論述を欠いたりするなどの問題はあるものの,論述内容が論理的に矛盾することなく,刑法の基本的な理解について一応ではあるものの示すことができている答案である。


「不良」と認められる答案とは,事案の分析がほとんどできていないもの,刑法の基本概念の理解が不十分であるために,各設問の出題の趣旨及び前記採点方針に示された主要な問題点を理解できていないと認められたもの,事案に関係のない法解釈論を延々と展開しているもの,論述内容が首尾一貫しておらず論理的に矛盾したり論旨が不明であったりしているものなどである。

 


法科大学院教育に求めるもの
刑法の学習においては,刑法の基本概念の理解を前提に,論点の所在を把握するとともに,各論点の位置付けや相互の関連性を十分に整理し,犯罪論の体系的処理の手法を身に付けることが重要である。


一般的に重要と考えられる論点を学習するに当たっては,犯罪成立要件との関係で,なぜその点が問題となっているのかを明確に意識しつつ,複数の見解の根拠や難点等に踏み込んで検討することなどを通じて,当該論点の理解を一層深めることが望まれる。

 

また,刑法各論の分野においても,各罪を独立して学習するだけではなく,例えば,財産犯であれば,財産犯全体に共通する総論的,横断的事項や各犯罪類型の区別基準を意識した学習が望まれる。

 

これらの論点に関する理解を深めた上で,事案の全体像を俯瞰しつつ,一定の事実を法的に評価し,その解決において必要となる問題点を適切に抽出するための法的思考能力を身に付けることが肝要である。


さらに,これまでにも繰り返し指摘しているところであるが,判例を学習する際には,結論のみならず,当該判例の前提となっている具体的事実を意識し,結論に至るまでの理論構成を理解した上で,その判例が述べる規範の体系上の位置付けや,その射程や理論構成上の課題について検討し理解することが必要である


このような観点から,法科大学院教育においては,まずは刑法の基本的知識及び体系的理解の修得に力点を置いた上,刑法上の諸論点に関する問題意識(なぜ問題となるのか)を喚起しつつ,その理解を深めさせ,さらに,判例の学習等を通じ具体的事案の検討を行うなどして,正解思考に陥らずに幅広く妥当な結論やそれを支える理論構成を導き出す能力を涵養するよう,より一層努めていただきたい。

 

 

今回の記事は以上です。

今回のポイントは、主に、

①基本的事項の体系的理解(相互関係の理解)に努めること

②事案解決に必要十分な範囲で法解釈を展開すること(論証パターン丸写しはNG)

③論理的かつ事案解決に必票十分な論述をすること

の3点といえるでしょう。

 

本記事が、少しでも参考になれば幸いです(^^♪

それではまた!!
 

 

 

 

 

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