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2022年(令和4年)予備試験(論文)の出題分野予想【行政法】

 

こんにちは、コポローです。

今日は、令和4年度予備試験(行政法)の出題分野について、いくつか予想したいと思います。

 

目次

 

予備試験の出題は、原則として、過去3年程度の過去問(司法試験を含む)と出題分野が重ならないように配慮されているといわれていますので、まず、過去3年程度の出題分野は予想から除外します。

過去の出題分野は下記の通りです(過去問をまだ解いていない人はネタバレを含みますので閲覧注意です)。

 

司法試験の出題動向(出題の趣旨からの抜粋)

令和3年度

本問は,A市の市道上で屋台営業を行うために必要な市道占用許可(道路法第32条第1項第6号)を自ら取得せず,他人の名義を借りて屋台営業を行ってきた者(以下「他人名義営業者」という。)であるBが,名義貸し行為の一掃を目指すA市屋台基本条例(以下「本件条例」という。)の施行後も,従前からの場所(以下「本件区画」という。)で屋台営業を続けるため,本件条例第25条所定の屋台営業候補者の公募に応募したところ,A市長(以下「市長」という。)が本件区画についてBを屋台営業候補者に選定しない旨の決定(以下「本件不選定決定」という。)を行う一方で,Cを屋台営業候補者に選定する旨の決定(以下「本件候補者決定」という。)を行ったという事例における法的問題について論じさせるものである。


〔設問1〕⑴は,本件不選定決定の処分性の有無を問うものである。Bは屋台営業候補者の公募に応募して本件不選定決定を受けたことから,まずは,本件条例及び本件条例施行規則の仕組み(屋台営業候補者であることが市道占用許可の要件の一つとなっていること,A市屋台専門委員会(以下「委員会」という。)は選定基準に則して推薦を行い,それを受けて市長は選定を行うこと,市長は選定又は不選定の決定の通知を行うこと等)に即して,屋台営業候補者の選定が申請に対する処分に当たるか,したがって本件不選定決定は申請拒否処分に当たるかについて検討することが求められる。他方で,Bが最終的に求めているのは市道占用許可であるため,本件不選定決定は中間段階の決定にすぎず,処分に当たらないのではないかという問題もある。そこで,本件不選定決定の処分性の有無については,Bが市道占用許可を申請して不許可処分を引き出し,その取消訴訟の中で本件不選定決定の違法性を争うといった訴訟手段との比較も視野に入れて検討する必要がある


〔設問1〕⑵は,市長が既にCに対して本件候補者決定を行っていることから,Bが本件不選定決定の取消しを求める訴えの利益が失われていないかを問うものである。この問題については,最判昭和43年12月24日民集22巻13号3254頁を参考にして,BとC及び本件不選定決定と本件候補者決定がいかなる関係にあるかを踏まえ,本件不選定決定の取消判決の効力によって生じることになる事態を正確に追跡し,Bが屋台営業候補者に選定される可能性が残っているかを検討することが求められる。


〔設問2〕は,本件不選定決定の取消訴訟において主張すべき違法事由を問うものである。まず,本件不選定決定の違法事由を検討する前提として,①本件条例の施行の際にBの地位への配慮に欠ける点がなかったか,②委員会の屋台営業候補者の推薦に係る判断に瑕疵はなかったか(より具体的には,屋台営業の実績を考慮して審査を行うという委員会の申合せに不合理な点はなかったか。)という問題の検討が求められる。
①の問題については,Bが本件区画で10年以上も屋台営業を行ってきたという事実を踏まえ,市道占用許可は財産権保護の観点から更新が原則であるという解釈が成り立たないか,屋台営業において他人の名義を借りることは,A市における実害や過去の取扱い,道路法及び本件条例で定める市道占用許可の要件に照らして,営業の実績が全て法的な保護に値しなくなるほど悪質な行為と評価できるかといった検討を行うことが要求される。この①の問題の検討の結果を踏まえ,市長が本件不選定決定を行う際に自身の公約を重視する一方でBの地位に更なる配慮を行わなかったことについていかなる違法事由を主張すべきかが論じられるべきことになる。
②の問題については,委員会の申合せが本件条例施行規則第19条各号の選定基準に照らして是認することができるか,また,新規に屋台営業を始めようとして公募に応募した者の利益を不当に侵害することにならないかの検討が要求される。前者は,基本的に本件条例施行規則第19条各号の解釈の問題であるが,後者は,とりわけ,屋台営業候補者選定指針は目にしたものの本件委員会の申合せを知るすべもなく公募に応募した者の権利保護といった観点からの検討が期待される。この②の問題の検討の結果を踏まえ,最判昭和50年5月29日民集29巻5号662頁を参考にして,市長が本件不選定決定を行うことによって「特段の合理的な理由」がないにもかかわらず委員会の推薦を覆したとの違法事由を主張し得るかが論じられるべきことになる。

 

令和2年度
農地を他の目的に転用するに際しては農地法第4条第1項に基づく都道府県知事等による農地転用許可を要するが,当該農地が農業振興地域の整備に関する法律(以下「農振法」という。)第8条第1項に基づく市町村の農用地利用計画により,農用地区域内の農地に指定されている場合には,原則として,農地の転用は認められない。したがって,こうした農地を転用するためには,その前提として,農振法第13条第1項に基づく計画変更による当該農地の農用地区域からの除外を求めなければならない。本問は,近隣農家のための医院設置を目的として農地(以下「本件農地」という。)を転用するため,それを農用地区域から除外するためのB市による農用地利用計画(以下「本件計画」という。)の変更が求められた事例について,農振法や関係法令の仕組みを踏まえながら,そこでの法律問題を分析することが求められている。
まず,本問の事例においては,Xによる本件農地を農用地区域から除外するための本件計画の変更をB市が認めておらず,それを争う前提として,本件計画の変更及びその申出の拒絶の処分性が問われている(設問1(1))。さらに,本件計画の変更及びその拒絶が処分であることを前提として,Xによる本件農地の農用地区域からの除外の申出をB市が受け付けず,これに対する可否の通知をしていない状況において,Xが選択すべき抗告訴訟の検討が求められる(設問1(2))。最後に,B市により,本件申出を拒絶する通知がなされた場合に,それに対する取消訴訟において,Xがどのような違法事由を主張すべきかが問われている(設問2)[やや複雑な法令の適用関係に照らして,農振法第13条第2項第5号の要件の充足性を検討する/委任した法律の趣旨目的に適合するように解釈]。以上の点について,【法律事務所の会議録】を踏まえながら,そこで示されている弁護士Cの指示に沿って,B市による反論も想定しつつ,弁護士Dの立場から検討することが求められる。

 

平成31年

本問は,新たな市道(以下「本件道路」という。)の整備のために,C市が,土地収用法(以下「法」という。)に基づいて,Aの土地(以下「本件土地」という。)を収用しようとした場合に生じる法的な問題について,検討を求めるものである。土地収用の手続きは,事業認定(法第20条),収用裁決(法第47条の2)といった段階を踏んで進められていくが,本問においては,このような土地収用手続の過程を理解して検討することが求められている。
本問では,C市を起業者として行われた事業認定(以下「本件事業認定」という。)やAに対する権利取得裁決(以下「本件権利取得裁決」という。)はいずれも出訴期間を経過しており(行政事件訴訟法第14条),Aはこれらの処分に対して適法に取消訴訟を提起して争うことはできない。もっとも,本件権利取得裁決については,例外的に「正当な理由」が認められるとして,取消訴訟を提起することができる場合も考えられ,論じられるべき第1の問題は,仮に,行政事件訴訟法第14条における「正当な理由」が認められ,本件権利取得裁決に対する取消訴訟(以下「本件取消訴訟」という。)を適法に提起することが可能であるとした場合,Aは,本件取消訴訟において,本件事業認定の違法を主張することができるかである(設問1)[違法性の承継。論じられるべき第2の問題は,本件権利取得裁決に対して無効確認訴訟を提起した場合(行政事件訴訟法第3条第4項),Aに,無効確認訴訟の原告適格が認められるかどうかである(設問2(1))。最後に,論じられるべき第3の問題は,本件事業認定に裁量の範囲を逸脱又は濫用した違法が認められるかどうかである(設問2(2))。以上の点について,資料を踏まえて論じることが求められている。

 

 

 

 

 

 

 

 

予備試験の出題動向(出題の趣旨からの抜粋)

令和3年度

本問は,廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき特別管理産業廃棄物収集運
搬業の許可を受けている収集運搬業者が,その事業範囲の変更許可を申請したのに
対し,行政庁が一定の条件(以下「本件条件」という。)を付した上で変更許可(以
下「本件許可」という。)をしたという事実を基にして,行政処分の附款に関わる
訴訟方法及びその実体法上の制約について,基本的な知識・理解を試す趣旨の問題
である。
設問1は,本件条件に不満がある場合において,いかなる訴訟を提起すべきかを
問うものである。本件条件は本件許可の附款という性質を有することから,本件許
可の取消訴訟において本件条件の違法性を争うことができるか,本件条件の取消訴
訟を提起すべきかが主に問題となる。その際,本件許可と本件条件が不可分一体の
関係にあるか否か,それぞれの取消訴訟における取消判決の形成力,拘束力(行政
事件訴訟法第33条)について,本件の事実関係及び法令の諸規定を基に論ずるこ
とが求められる。
設問2は,取消訴訟における本件条件の違法性に関する主張を問うものである。
とりわけ,本件条件が付されたことに関して主に比例原則と信頼保護について,本
件事実関係及び法令の諸規定とその趣旨を指摘し,また,信頼保護に関する裁判例
最高裁判所昭和62年10月30日第三小法廷判決など)を踏まえ,本件条件の
違法性を論ずることが求められる。

 

令和2年度

本問は,都市計画法上の開発許可の事前手続を定めた条例(以下「条例」という。)
の運用に際して,市と事業者の間で,事業者の開発制限に関する条項(以下「本件
条項」という。)を含む開発協定が締結され,さらに,本件条項を前提にして,条
例に基づく事前協議を受けることができないという市長の通知(以下「本件通知」
という。)が発せられたという事実を基にして,行政契約の実体法的な制約,及び
取消訴訟の訴訟要件に関する基本的な知識・理解を試す趣旨の問題である。
設問1は,本件条項の法的拘束力を問うものである。本件条項は,公害防止協定
に類する規制的な契約であることから,最高裁判所平成21年7月10日第二小法
廷判決(裁判集民事231号273頁)などを踏まえて,その法的拘束力の有無に
ついて検討することが求められる。その際,本件の事例に即して,とりわけ開発許
可制度の趣旨を踏まえて論ずる必要がある。
設問2は,本件通知の処分性の有無を問うものであり,処分性に関する最高裁
例を基に検討することが求められる。その際,本件通知の法的根拠の有無,本件通
知が条例上の措置や開発許可との関係でいかなる意義を有するか,開発不許可処分
取消訴訟において本件通知の違法性を争うことができるか,などについて,都市
計画法や条例の規定を基に論ずることが求められる。

 

平成31年

設問1においては,A県屋外広告物条例(以下「条例」という。)に基づく広告
物設置等の許可処分(以下「本件許可処分」という。)について,それにより景観
や生活・健康が害されることを主張する隣地居住者の原告適格を,当該原告の立場
から検討することが求められる。まず,行政事件訴訟法第9条第1項所定の「法律上の利益を有する者」に関する最高裁判例で示されてきた判断基準について,第三者原告適格の判断に即して,正しく説明されなければならない。その上で,原告が主張する景観と生活・健康(安眠)に関する利益について,それぞれ,本件許可処分の根拠法規である条例やA県屋外広告物条例施行規則(以下「規則」という。)によって保護されているものであることが,許可の要件や目的などに即して,具体的に説明されなければならない。さらに,これらの利益について,それらが一般的な公益に解消しきれない個別的利益といえることが,その利益の内容や範囲等の具体的な検討を通じて,説明され
なければならない。
設問2においては,許可地域等において広告物等と鉄道等との距離を要件とする
規則所定の許可基準について,条例がこれを委任した趣旨に適合し委任の範囲内に
あるかを,その無効を主張する原告の立場から検討することが求められる
まず,この規則が定める許可基準が条例の委任に基づいて定められた委任命令で
あり,条例の委任の趣旨に反すれば無効となることが明確にされなければならない。
つぎに,条例の委任の趣旨,言い換えれば条例が許可制度を設けた趣旨について,
目的規定,許可地域等の定め方など,条例の規定に照らして,具体的に検討されな
ければならない。最後に,こうした目的に照らして,鉄道から広告物等が見通せるか否かを問題にすることなく,それとの距離を要件とする許可基準の定め方につき,これが条例の委任の趣旨と矛盾することから,これを定める規則が無効であるとの結論が導かれるべきこととなる。

 

 

 

 

 

令和4年度の出題分野予想

・出題予想としては、抗告訴訟の訴訟要件(処分性・原告適格・訴えの利益など)と違法事由(行政裁量・比例原則・信頼保護など)はほとんど毎年出題されていることから、今年も出題されそうです

・このほか、行政処分の取消し・撤回に関する問題行政基準、行政手続行政指導、行政制裁(公表含む)、主張制限(行訴法10条)、国家賠償法、損失補償に関する問題もそろそろ出題されそうです。

・いずれにせよ、その場で考えさせるタイプの問題になるので、行政事件訴訟法の各制度や条文の趣旨、重要判例の内容を理解したうえで、問題となる法令の仕組みや趣旨および問題文の状況をしっかり読み込み、論理的・合理的な解釈・あてはめを行うよう心がけましょう!

 

なお、司法試験の出題は、主として学者委員が問題案を持ち寄り、投票・議論等を経て決まります。

予備試験も同様と思われるところ、行政法については、司法試験考査委員と予備試験考査委員が重なっています。

ですので、司法試験考査委員の関心や考え方を知っておくことは有益です。

学者委員のプロフィールや著作等については、下記記事も参考にしてみてください(私の上記出題予想もこれを一定程度踏まえています)。

kaishahou.hatenablog.jp

 

今回の記事は以上です。

本記事がみなさんの参考になれば幸いです(*^-^*)

それではまた!

 

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