司法試験・予備試験・ロー入試に向けた会社法

司法試験上位合格者が会社法についてわかりやすく解説します

2022年(令和4年)予備試験(論文)の出題分野予想【刑事訴訟法】

 

こんにちは、コポローです。

今日は、令和4年度予備試験(刑事訴訟法)の出題分野について、いくつか予想したいと思います。

 

目次

 

予備試験の出題は、原則として、過去3年程度の過去問(司法試験を含む)と出題分野が重ならないように配慮されているといわれていますので、まず、過去3年程度の出題分野は予想から除外します。

過去の出題分野は下記の通りです(過去問をまだ解いていない人はネタバレを含みますので閲覧注意です)。

 

 

司法試験の出題動向(出題の趣旨からの抜粋)

令和3年度

本問は,住居侵入強盗事件を素材として,捜査及び公判に関する具体的事例を示し,各局面で生じる刑事手続上の問題点,その解決に必要な法解釈,法適用に当たって重要な具体的事実の分析及び評価並びに具体的結論に至る思考過程を論述させることにより,刑事訴訟法に関する基本的学識,法適用能力及び論理的思考力を試すものである。
〔設問1〕は,警察官が行った名刺1枚の差押え(以下「下線部①の差押え」という。)及びUSBメモリ2本の差押え(以下「下線部②の差押え」という。)の適法性を検討させることにより刑事訴訟法の規定する差押えの要件に関する法的問題の理解と具体的事案への適用能力を試すものである

〔設問2〕は,乙の公判において証拠調べ請求された乙作成の本件メモ1(〔設問2-1〕),甲作成の本件メモ2(〔設問2-2〕)について,それぞれの証拠能力の有無を問うことにより,刑事訴訟法第320条第1項の伝聞法則についての正確な理解と具体的事実への適用能力を試すものである。

 

 

令和2年度
〔設問1〕は,H市内で夜間に発生したV方における住居侵入窃盗事件(以下「本件住居侵入窃盗事件」という。)に関し,司法警察員P及びQが,その2日前の夜間に同市内で発生した,手口が類似するX方における住居侵入未遂事件(以下「X方における事件」という。)で目撃された甲をH警察署まで任意同行した上,約24時間という長時間にわたり,一睡もさせずに徹夜で,更に偽計も用いて実施した取調べ(以下「下線部①の取調べ」という。)の適法性を論じさせることにより,刑事訴訟法第198条に基づく任意捜査の一環としての被疑者の取調べがいかなる限度で許されるのか,すなわち,被疑者に対する任意取調べの適法性に関する判断枠組みの理解及び具体的事実への法適用能力を試すものである。

〔設問2〕は,甲の自白が,前記のとおり,長時間にわたり,徹夜で行われた取調べにおいて,偽計を用いて獲得されているところ,まず,〔設問2-1〕において,自白法則及び違法収集証拠排除法則の自白への適用の在り方を一般的に問うた上,次いで,〔設問2-2〕において,〔設問2-1〕で論じた自己の見解に基づいて甲の前記自白の証拠能力を論じさせることにより,自白法則及び違法収集証拠排除法則という証拠法における基本原則が,自白という供述証拠にどのように適用されるのか(後者については適用の有無自体も含む。)についての基本的な理解と,それを踏まえた,具体的事例を解決するための法的思考力を試すものである。

 

 

平成31年

 法に関する基本的学識,法適用能力及び論理的思考力を試すものである。
〔設問1〕は,路上で発生した強盗致死事件(本件)について,警察官及び検察官は,甲が犯人ではないかとの嫌疑を抱き,同事件の捜査を視野に入れて,甲を業務上横領事件(別件)の被疑事実で逮捕・勾留し,同勾留期間中には,甲に対し,強盗致死事件の取調べを行っていることから,甲の逮捕・勾留が,いわゆる別件逮捕・勾留に当たり違法と評価されないかが問題となる。〔設問1-1〕では,いわゆる別件逮捕・勾留に関する捜査手法の適法性の判断基準について,まず,自己の拠って立つ理論構成を示した上,【事例】の具体的事実に当てはめて,甲の逮捕・勾留の適法性を論ずることが求められる。次に,〔設問1-2〕では,自己の結論とは異なる結論を導く理論構成を示し,【事例】の具体的事実に当てはめて,甲の逮捕・勾留の適法性を論じた上,その理論構成を自己が採用しない理由についても言及することが求められる。

 〔設問2〕は,訴因変更の可否及び許否を問う問題である。【事例】において,検察官は,甲がAから集金し,X社のために保管していた3万円を横領したという業務上横領罪の訴因(公訴事実1)で起訴したが,審理の途中で,甲がAから集金名下で3万円をだまし取ったという詐欺罪(公訴事実2)へ訴因変更を請求している。訴因の変更は,「公訴事実の同一性を害しない限度において」認められる(刑事訴訟法第312条第1項)ことから,本問の解答に当たっては,公訴事実の同一性の意義・判断基準についての理論構成を示した上,具体的事実に当てはめることが求められる。加えて,本問の訴因変更請求は,公判前整理手続を経た裁判員裁判の審理の中で行われているため,公判前整理手続後の訴因変更が許されるかについて,公判前整理手続の制度趣旨に照らした論述が求められる

 

 

 

 

 

 

 

予備試験の出題動向(出題の趣旨からの抜粋)

令和3年度

本問は,共犯者2名による住居侵入,強盗傷人事件において,設問1では,事前
に被害者から犯人や被害品の特徴を聴取し,防犯カメラの画像でもこれを確認して
いた警察官が,犯行の約2時間後,犯行現場から約5キロメートル離れた路上で,
犯人の特徴と一致する2名の男を発見し,そのうち1名が被害品の特徴と一致する
バッグを所持していたことから,その男に声をかけたところ,両名が逃走したため,
これを追跡し,途中で上記バッグを投棄した1名を刑事訴訟法第212条第2項に
基づき逮捕(準現行犯逮捕)した事例において,この逮捕が,準現行犯逮捕の要件
を充足するかどうかを検討させることを通じて,準現行犯逮捕が令状主義の例外と
して認められる趣旨や,準現行犯逮捕の条文構造を踏まえた具体的事案における適
用のあり方を示すことを求めるものである。

設問2では,逮捕された被疑者について,間近い時期に被疑者を未発見の凶器の投棄現場に案内させ,その立会の下で同所の実況見分を実施する確実な予定がある中で,弁護人となろうとする者から,被疑者との初回の接見を30分後から30分間行いたい旨の申出があったのに対し,接見の日時を翌日と指定した事例において,接見指定の要件である「捜査のため必要があるとき」(刑事訴訟法第39条第3項本文)の意義や,初回接見についての指定内容と同項ただし書の「指定は,被疑者が防御の準備をする権利を不当に制限するようなものであってはならない。」との関係についての理解を踏まえて,当該指定の適否を検討させるものである。その検討においては,最高裁判所判例最高裁平成11年3月24日大法廷判決,最高裁平成12年6月13日第三小法廷判
決等)を意識して自説を展開する必要がある。

 

令和2年度
本問は,常習傷害罪として包括一罪を構成する可能性がある複数の行為の一部に
つき,確定判決を経た事件(以下「前訴」という。)と,前訴の確定判決前に犯さ
れたが同判決後に発覚して起訴された行為に関する事件(以下「後訴」という。)
の両者,あるいは一方が,単純一罪として訴因構成された事例において,前訴の確
定判決の一事不再理効が及ぶ範囲の検討を通じ,刑事訴訟法の基本的な学識の有無
及び具体的事案における応用力を試すものである。

 

平成31年
本問は,民家で発生した窃盗事件について,翌日の未明に,警察官PとQが,路
上で,人相及び着衣が犯人と酷似する甲を認め,職務質問を開始したところ,甲の
ズボンのポケットからV名義のクレジットカードが路上に落ちたことから,抵抗す
る甲をパトカーに押し込んでH警察署に連れて行き,その後,甲を通常逮捕して,
勾留したとの事例において,甲の勾留の適法性の検討を通じ,刑事訴訟法の基本的
な学識の有無及び具体的事案における応用力を試すものである。刑事訴訟法上,逮捕と勾留は別個の処分であるが,先行する逮捕手続(さらに,同行の過程)に違法がある場合,引き続く勾留の適法性に影響を及ぼすことがあるとの理解が一般的であり,甲の勾留の適法性を検討するに当たっては,先行手続の違法が問題となる。もっとも,この点については,勾留の理由や必要(刑事訴訟法第207条第1項,第60条第1項,第87条)と異なり,明文で要件とされているわけではなく,逮捕手続の違法についても,逮捕後の時間的制限の不遵守がある場合に勾留請求を却下すべきとする(刑事訴訟法第206条第2項,第207条第5項)にとどまるため,なぜ先行手続の違法が勾留の適法性に影響を及ぼすのかについて,具体的根拠を示して論ずることが求められる。他方,先行手続の違法が軽微であっても直ちに勾留が違法となるとすれば,被疑者の逃亡や罪証隠滅を防いだ状態で捜査を続行することが困難となるのであって,先行手続の違法が勾留の適法性に影響を及ぼすと考えるとしても,いかなる場合に勾留が違法となるか,その判断基準を明らかにすることも必要である。
本問では,先行手続として,警察官が甲をパトカーに押し込んでH警察署に連れ
て行った行為について,実質的な逮捕であり違法ではないかが問題となる。ここで
は,任意同行と実質的な逮捕とを区別する基準を示した上で,警察官の行為が実質
的逮捕であるか否かを判断することが求められる。そして,警察官の上記行為が実
質的な逮捕であり違法と評価される場合,その違法が勾留の適法性に影響するのか,
影響するのであれば,勾留が違法となる場合に当たるかについて,判断基準を示し
て検討することが求められる。

 

 

 

 

 

 

 

令和4年度の出題分野予想

・例年、捜査から1題、公訴・公判から1題、出題されています。

 

・捜査からの出題予想としては、ビデオカメラ撮影GPS捜査、自動車検問、職務質問・所持品検査捜索・差押えと必要な処分、逮捕に伴う捜索・差押え、報道機関に対する捜索・差押えあたりから出題がありそうです。

 

・公訴・公判からは、公訴権濫用、訴因の特定、補強法則、科学的証拠、違法収集証拠、偽計による自白刑訴法328条共犯者の供述択一的認定あたりが出題されそうです。また、伝聞法則は、様々なパターンで出題することができるので頻出です(対策は必須です)。

 

・近時の傾向として、その場で考えさせるタイプの問題になりそうなので、各制度や条文の趣旨、重要判例の内容を理解したうえで、問題文の状況をしっかり読み込み、事案に即した論理的・合理的な解釈・あてはめを行うよう心がけましょう!

 

なお、司法試験の出題は、主として学者委員が問題案を持ち寄り、投票・議論等を経て決まります。おそらく予備試験も同様です。

民事系3法以外は、予備試験専属の学者委員がいないので、おそらく司法試験考査委員が予備試験の出題も行っていると思われます(もし、この認識が間違っていれば、コメント等で教えてください)。

司法試験の学者委員のプロフィールや著作等については、下記記事も参考にしてみてください(私の上記出題予想もこれを一定程度踏まえています)。

kaishahou.hatenablog.jp

 

 

今回の記事は以上です。

本記事がみなさんの参考になれば幸いです(*^-^*)

それではまた!